6月10日、約3500人のオーク材を専門的に取り扱う職人らがフランス政府に対して、国内の材木と関係職の救済を求める嘆願書を提出した。中国の需要増により大量にフレンチオークが輸出され、国内に供給されず、原材料不足に陥った多くの会社は倒産に追い込まれたという。AFP通信が報じた。
オーク材木業界の代表者らは、ジュリアン・ドノルマンディー(Julien Denormandie)農業・食料大臣と会談し、業界を保護するためには国の介入が必要だと主張した。同業者たちは今年4月末にも、救援を呼び掛けている。
オーク材は建築資材、家具、楽器、ワイン樽などに使用される。木材不足は、フランス経済の重要な部分である中小企業に打撃を与えた。オーク材の輸出量は、今年はじめの4か月間で、すでに2020年の1年分の量に匹敵するほど増大。価格高騰と供給不足により、フランス国内の一部の労働者を失業させ、会社が倒産するという事態に陥った。
フランス全国木材連盟やフランス木材・森林産業連盟などの代表者は、現在、木材関連産業は約44万人の雇用を維持しており、そのうち木材加工の分野だけで5万人の雇用を支えているという。
中国に最も多く材木を輸出し、世界第2位の木材輸出国であるロシアでさえ、すでに一部の木材の輸出停止を表明している。2022年1月1日からは原木輸出を全面禁止にする。
フレンチオークの国内供給問題は今回が初めてではなく、2017年にも危機が取り沙汰された。しかし、今回、代表者たちは「この10年間の業界の慢性的な問題」を解決するため、窮状を訴え、政府の救済を要請している。
この問題を一時的に解消するため、フランス国有林局は今夏前に、オーク材の国内向け追加販売を決定した。同局は、フランス国内のオーク材販売の半量を管理している。また、夏には木材業界による特別な販売会が開催され、オーク材はEUラベルの付いた企業のみ販売されるという。
(翻訳編集・蘇文悦)
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