欧州連合(EU)のデジタル規制当局は5月28日、中国発EC大手Temu(テム)が、プラットフォーム上で販売する違法製品を十分に防止していなかったとして、2億ユーロの制裁金を科すと発表した。初期段階の広範な調査の結果、同社の対応が不十分だったと判断した。
EUの「デジタルサービス法」(DSA)に基づくこの調査は、約2年にわたって進めている。今後数か月以内に、追加処分を科す可能性もある。同法は、大規模なオンラインプラットフォームに対し、違法な商品や有害なコンテンツへの対策強化を義務づけている。
ロイターによると、EU当局は、欧州消費者機構とその加盟17か国の団体から苦情を受け、Temuへの調査を開始した。
EUの執行機関である欧州委員会は、Temuが、プラットフォーム上で違法製品を販売する構造的なリスクや、EU消費者への影響を十分に特定・分析・評価していなかったと指摘した。
報道によれば、欧州委員会が独立検査機関に委託して実施した「ミステリーショッパー(覆面調査)」による抜き取り調査では、同サイトで販売していた充電器の多くが、EUの基本的な安全試験を満たしていなかった。また、検査対象となった乳幼児向け玩具の一部も危険と判断した。化学物質が基準を超えていたほか、取り外し可能な部品による窒息の危険があったという。
欧州委員会はさらに、Temuが推薦システムや、提携インフルエンサーを使った商品宣伝プログラムを適切に評価していなかったと批判した。こうした不備が、違法製品の販売リスクを高めたとしている。
Temuは声明で、「Temuはデジタルサービス法の目的、およびデジタル経済全体における明確で一貫したルールの必要性を尊重している。ただし、欧州委員会の決定には同意できず、この制裁金は不相応だと考えている」と反論した。
同社はまた、「今回の決定は、2024年に行った当社初のデジタルサービス法に基づく評価に関するものであり、現在のシステムの状況を反映したものではない」と主張した。今後も規制当局との対話を続けるとし、すべての選択肢を検討していると述べた。
EUのデジタル政策を担当するヘンナ・ヴィルクネン上級副委員長は記者団に対し、「これはリスク管理に関する問題だ。リスク管理はデジタルサービス法の大きな柱である。今回の決定により、われわれはTemuに非常に強いメッセージを送った」と述べた。
ヴィルクネン氏は、当局が今後も、Temuのサービス設計に利用を過度に促す要素があるかどうかを調査すると説明した。違法製品の販売に関するより広範な評価に加え、推薦システムや、研究者がデータにアクセスできる体制についても調べるという。
DSA第75条により、Temuは8月28日までに欧州委員会へ行動計画を提出しなければならない。その後、欧州デジタルサービス委員会が1か月かけて計画を審査する。さらに欧州委員会が1か月以内に最終判断を下し、実施スケジュールを定める。
欧州委員会は、「是正命令に従わない場合、継続的に制裁金を科す可能性がある」と警告した。
今回の措置は、EU市場で事業を展開する中国系EC企業への規制強化を示すものだ。DSAに違反した企業には、世界年間売上高の最大6%に相当する制裁金を科す。
昨年には、別の中国系EC大手SHEIN(シーイン)も調査を受け、各方面から批判を浴びた。子供の外見を模したアダルトグッズが、同社のプラットフォームを通じてヨーロッパの顧客に販売していた。
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