米、北朝鮮に「前提条件なく会う」も 国際的な制裁維持を強調=日米韓協議

2021/06/23 更新: 2021/06/23

日米韓3カ国の北朝鮮担当高官は21日、ソウルで非核化問題について協議した。米国代表は、北朝鮮に「条件なしの面会」を呼びかけているが、同時に国際社会における制裁維持は重要だと強調した。

3カ国協議には、外務省の船越健裕アジア大洋州局長、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国の魯圭悳(ノ・ギュドク)外交部朝鮮半島平和交渉本部長が参加した。

北朝鮮の金正恩・国務委員長は最近、パンデミックによる国境閉鎖で深刻な食糧不足に直面していると発言した。AP通信によると、キム氏はこの状況に触れ、金氏が米国の対話の申し入れに応じるよう要請していると明らかにした。

いっぽう、キム氏は、国連加盟国と常任理事国に、北朝鮮制裁を確かに履行するよう求めていくとし、対話が実現したとしても、従来の対北朝鮮政策における非核化への姿勢を維持することを表明した。

3カ国代表は協議のなかで、北朝鮮を引き出すための具体的な誘引策については出さず、国際社会の北朝鮮制裁に対する徹底した履行を確認した。キム氏は「国連加盟国、特に常任理事国には、国際社会に対する北朝鮮の脅威に対して、対北制裁の充実した履行を促す」と述べた。常任理事国であり、北朝鮮の主要な貿易相手国である中国とロシアを意識した発言とみられる。

北朝鮮はこれまで、米国との対話再開の条件として北朝鮮制裁の撤回を要求してきた。しかし、今回の協議で3カ国は、非核化なしなら制裁維持との現状路線を確認した。

同席した船越局長も冒頭発言で「日米韓協力は域内の平和と安定に非常に重要である」と述べ、後続協議を進めるよう呼びかけた。船越氏はまた、北朝鮮拉致問題についても発言し、米韓側の支持を得たという。

(編集・潤水)

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