アメリカ連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員はこのほど、アメリカ政府は高高度気球を利用してキューバにインターネットを提供できると述べた。キューバでは反政府デモが勃発し、政府がチャットアプリやインターネットサービスを遮断したと報告されている。
「高高度気球の利点は、キューバで新しいインフラを必要としないことで、これは実証されている技術だ」と、カー氏は7月17日にツイッターに投稿した。
キューバ政府が同国のインターネットを遮断した後、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は、バイデン大統領にキューバへのインターネット接続を回復するよう求めた。
デサンティス知事はバイデン氏への手紙で、「残酷な独裁政権の下で何十年も苦しんできたキューバの人々が、共産主義の弾圧に立ち向かい、声を聞いてくれるよう要求している。彼らへのインターネットの提供を支援するよう、強く要請する」と述べた。
カー氏によると、アメリカは2つの戦略をとるべきだという。一つ目は、気球やその他の実証済みの技術を使って新しいインターネット接続を導入すること。二つ目は、「キューバの既存のネットワークを利用して封鎖を回避出来る」Psiphonのような技術のサポートを強化する事だ。
Psiphonは7月16日、前日の15日だけで約140万人のキューバ人が、同社の無料の封鎖迂回ツールを使ってインターネットにアクセスできたと発表した。
カー氏は、グーグルの親会社アルファベットが気球を使ったインターネットのプロジェクトに何年も取り組んでいたとする記事に触れた。アルファベットは1月に、コストを抑えられない理由で同プロジェクトを閉鎖した。
FCCは以前、ハリケーンがプエルトリコを襲った後、Ravenという会社が運営する同様のプロジェクトに認可を与えた事がある。
カー氏はデサンティス知事との記者会見で、ケニアの田舎でもこの技術が使われていると述べた。
「今私たちに必要なのは、政府全体の超党派の政治的意志だ。バイデン政権は、キューバ国民へのインターネット提供を全面的に支援すると表明する必要がある。それが完了したら… 国防総省は必要な認可を提供し、連邦航空局は必要なすべての航空権をカバーし、FCCは必要な周波数帯の権利を提供し、国務省は国際問題に対処する」とカー氏は話した。
「バイデン大統領が連邦政府の支持を表明すれば、克服できない技術的課題はない。アメリカの自由企業制度はすでにこれらの技術を開発している」
マリア・サラザール議員(共和党・フロリダ州)は、連邦政府がこの取り組みに資金を提供しなければ、キューバ系アメリカ人からの寄付など、他の手段で資金を調達することができると述べた。
弁護士で実業家のマーセル・フェリペ氏は、高高度気球をキューバに配備することについて防衛関連業者としばらく前から連絡を取っており、フロリダ州を代表する連邦議員や国務省にその提案を伝えたと述べた。
「我々はパンデミックの前からこの取り組みを始めていた。彼らはすでにキューバに適した計画があり、島のほぼ全域をカバーでき、比較的迅速に実行することができる。なぜなら、それは洗練された技術ではなく、中東ですでに使われているからだ」と彼は話した。
キューバ政府は、共産主義政権に憤慨した人々による全国的な抗議に直面している。
インターネットに接続できれば、キューバの人々は地上で起きている事を写真や動画でを送信できるようになる。
バイデン氏は記者団に対し、キューバは「破綻した国家」であり、共産主義は「失敗した制度」であると述べた。
「彼らはインターネットを遮断したが、我々はアクセスを回復する技術的能力があるかどうかを検討している」と彼は話した。
ホワイトハウスのサキ報道官は7月16日、提案されている取り組みは「私たちがぜひ参加したいものだ」と述べ、この問題に関しては国務省に尋ねるようにと話した。
国務省の広報担当者は大紀元に電子メールで、キューバのインターネットアクセスを回復させるために提案されている取り組みについて、更なる情報はないと述べた。広報担当者は、キューバの指導者はすべてのインターネットと電気通信サービスを復旧すべきだと述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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