米軍当局者らは、中国当局は経済協力、賄賂、技術供与などを併用して、米国の裏庭である中南米に着実に浸透し、影響力を拡大していると警告した。
「中国の影響力はこの半球のいたるところに存在し、憂慮すべき方法で拡大している」。中南米を管轄する米南方軍のクレイグ・ファラー司令官は4日、米NBCニュースのインタビューで語った。司令官は、中国当局は南半球で港湾や空港、他の交通要所を増やそうとしていると指摘した。
ファラー氏は、中国当局が中南米とカリブ海全域を影響下に置こうとする事例として、エルサルバドルにおける中国側の投資事業を挙げた。中国企業はエルサルバドルでラ・ウニオン港を再開発し、貿易区を建設するブロジェクトを進めている。
米陸軍大学戦略研究所のラテンアメリカ問題専門家、エヴァン・エリス教授によると、中国は同港の再開発をめぐり、米国と欧州の企業を排除し、中国による港と貿易区の全面的な運営をエルサルバドル側に求めた。
米情報機関・軍当局者は、中国当局が同プロジェクトを通じて、米国の勢力圏である中南米において重要な経済的および戦略的拠点を持つことができるとの見方を示した。
米国務省は今年初め、「民主主義制度を弱体化し、重大な汚職を行い、ホンジュラスを含む各国に関する調査を妨害した」エルサルバドル当局者のリストを公表した。
ラ・ウニオン市のエゼキエル・ミラ・ゲラ前市長は同リストに挙げられた。米政府は、同氏に重大な腐敗行為があり、「市長職の権限を濫用して、個人的な利益と引き換えに、ぺリコ島を中国当局の代理人に売却した」と批判した。
国務省担当者は、中国当局は各国で商業上の利益を得るために、賄賂や他の不正な方法をますます使っていると示した。
エルサルバドルは3年前に台湾と断交し、中国当局と国交関係を結んだ。
いっぽう、ファラー司令官は、中国当局は中南米のベネズエラやキューバなど強権国家に、反体制活動家を弾圧する技術を供与していると批判した。
「中国はキューバなどと協力して、ベネズエラのマドゥロ政権を維持している。マドゥロ氏が政権を掌握し続ければ、中国当局は経済的利益を失うことがないからだ」
(翻訳編集・叶子)
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