新型コロナウイルスが蔓延する中、アメリカを含む欧米諸国は強硬なロックダウンを実施した。外出制限や学校の休校など、人同士の交流を極限まで減らした政策は、社会にどのような影響を与えたのか。果たしてロックダウンは期待通りの感染抑止に繋がったのか。スタンフォード大学医学部教授のジェイ・バタチャラヤ博士は、ロックダウンの効果は限定的である一方、社会全体にもたらす被害は甚大だと指摘する。
博士によると、1年に渡って最も厳格なロックダウンを敷いたカリフォルニア州と、1か月でそれを解除したフロリダ州を比較したところ、興味深いデータが出たという。フロリダはカリフォルニアに比べて、年齢調整後の死亡率が低かったのである。
一方、ロックダウンの弊害は大きかった。米CDCによると、昨年の6月には米国の若者の4人に1人が深刻な自殺願望を抱えていた。感染を恐れるあまり、がんの健診や治療を拒み、手遅れになった患者も多かった。ロックダウンによる失業者も急増した。実際、カリフォルニアの失業率はフロリダより2~3倍高く、貧富の差も広がったという。博士は、若者の健全な生活を奪うロックダウンは「最大の過ち」と批判する。
公衆衛生の専門家として、フロリダ州知事のアドバイザーを務めるバタチャラヤ博士。ロックダウンの解除やマスク義務化の撤廃など、独自の感染対策を貫くフロリダ州の裏には、彼の助言があった。エポック・タイムズのヤン・エキレックが話を聞いた。
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