米裁判所、コロナ患者にイベルメクチン治療認める 

2021/09/01 更新: 2021/09/01

米オハイオ州バトラー郡の裁判所は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)に感染し、人工呼吸器を装着している患者に抗寄生虫薬イベルメクチンの投与を求めていたことがわかった。裁判所が患者の妻の申し立てに応じた形となった。

バトラー郡のグレゴリー・ハワード判事は先週、同州シンシナティ郊外にあるウェストチェスター病院に対し、患者のジェフリー・スミス氏へ「直ちにイベルメクチン治療を開始する」よう命じたとオハイオ・キャピタル・ジャーナル紙が報じた。

妻のジュリー・スミス氏が起こした訴訟によると、夫ジェフリー・スミス氏(51歳)は7月初旬に中共ウイルスに感染し、ウェストチェスター病院の集中治療室で数週間にわたって人工呼吸器を装着していた。8月19日には、人工呼吸器の稼働率は80%となり、ジェフリー氏の生存率は30%以下にまで低下した。この時点で病院は、中共ウイルスに対する治療法は、すべてやり尽くしたと主張していた。

ジュリー氏は、中共ウイルスの治療薬の開発に尽力しているフレッド・ワグシュル医師に医学的アドバイスを求め、3週間分のイベルメクチンの処方箋を受け取り、病院に夫がこの治療薬を使った治療を受けられるよう求めた。また、万が一の場合も病院に「一切の責任を問わない」と申し出たが、病院はこれを拒否した。

ジュリー氏は、死の瀬戸際にいる夫を救うため、8月20日病院を提訴し、バトラー郡の裁判所にイベルメクチン使用に関する緊急命令を要求した。

「メリットがリスクを上回る限り、病院側が他の治療法を承認できない理由はない」とジュリー氏は言う。

同氏は以前、シカゴ・トリビューン紙やザ・バッファロー・ニュース紙が報じた、中共ウイルスの重症患者がイベルメクチンを投与したあと回復したとの報道を読んだという。これらの患者は、病院にイベルメクチンによる治療を求め、勝訴していた。

「失うものが全くなく、リスクもほとんどなく、病院側が緩和ケアを始める可能性がある中で、ワグシュル医師のイベルメクチン投与の指示と処方を拒否する理由はない」とジュリー氏は宣誓供述書で述べている。

フレッド・ワグシュル医師は中共ウイルスの効果的な治療法の開発を目指す、非営利団体「新型コロナ救命治療最前線同盟(Frontline COVID-19 Critical Care Alliance/FLCCC)」の創設メンバーである。

2020年10月、FLCCCは世界各国のイベルメクチンの臨床試験を解析し、イベルメクチンは中共ウイルスに有効だとして使用を推奨してきた。FLCCCのウェブサイトでは、イベルメクチンが中共ウイルスに対して安全で効果的かつ安価な薬であると報告する多くの研究結果を紹介している。

オハイオ・キャピタル・ジャーナル紙によると、ウェストチェスター病院は判決に異議を唱えていない。

米連邦政府機関、イベルメクチン投与は反対

イベルメクチンは、寄生虫によって引き起こされる特定の症状を呈した患者の治療薬として米食品医薬品局(FDA)から承認されている。この「イベルメクチン」を開発したのは大村智博士。同氏はイベルメクチンを用いた治療で、熱帯地方で流行する河川盲目症を発症した多くの人を失明から救ったと評価され、2015年にノーベル賞を受賞した。

いっぽう、アメリカの感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士は、中共ウイルスの治療にイベルメクチンを使用しないよう警告している。

同氏はCNNのインタビューで「使用すべきでない。イベルメクチンが効くという証拠は全くないし、毒性を持つ可能性もある」と語り、効果があることを示す臨床的な証拠はないと強調した。

米疾病対策センター(CDC)も最近発表した報告書で、イベルメクチンは中共ウイルスの治療薬として 米食品医薬品局(FDA)から承認されていないと指摘し、イベルメクチンの使用に反対すると表明した。また、イベルメクチンの誤用や過剰接種が相次ぎ、中毒事故管理センターへの通報が増加していると警告した。

FDAはイベルメクチンを大量に摂取することは 「危険であり、深刻な害をもたらす可能性がある」とウェブサイトで警告した。また、動物用のイベルメクチン製剤は、人間用の製剤とは異なり、高濃度であることから「人間に対して非常に毒性が強い可能性がある」と指摘した。
 

(翻訳編集・山中蓮夏)