海上自衛隊は4日、米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」及び「カール・ヴィンソン」、英海軍の空母「クイーン・エリザベス」と沖縄南西部海域で10月2日から3日にかけて共同訓練を実施したと発表した。オランダ、カナダ及びニュージーランドも参加し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携を強化した。
海上自衛隊からはヘリコプター搭載護衛艦「いせ」とイージス艦「きりしま」などが参加した。米海軍は空母の他、巡洋艦2隻と駆逐艦2隻を投入、英海軍は駆逐艦1隻、フリゲート艦1隻、補給艦2隻を投入した。他の3国はいずれもフリゲート艦1隻で、艦艇数は計17隻となった。
訓練では対抗戦や防空戦、対潜水艦戦闘などが行われた。
今回の大規模訓練は拡張を強める中国共産党を念頭に置いたものとみられている。この多国間演習が行われた翌日、沖縄南西地域に近い台湾海峡で中国軍が過去最多となる56機の中国軍機を通過させた。台湾当局によると、1日以降、4日間で148機の中国空軍機が台湾防空識別圏の南部と南西部に進入した。
台湾の蘇貞昌・行政院長(首相)は5日、地域の平和を脅かす中国の「ますます度を越している」軍事活動に警戒する必要があるとし、「中国の度重なる地域の平和の侵害と台湾への圧力を、世界は目にしている」と述べた。
日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想には多くの国が賛成を表明しており、米英海軍などによる航行の自由作戦も中国共産党をけん制するもの。日米豪印からなる四カ国枠組み「クアッド」は9月末に首脳会談を開催し、結束を強めたばかりだ。
(王文亮)
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