[ソウル 4日 ロイター] – 北朝鮮は既存の平山工場を通じて核兵器に必要なウランを全て入手できるほか、大量の尾鉱(製錬過程で生じる廃棄物)を写した衛星画像から同国が現在よりもはるかに多くのウランを製造できることが示唆される──。先月発表された新しい学術研究がこのように結論付けた。
北朝鮮は核兵器実験を2017年以降行っていないが、これまでに兵器増強を続けると表明しているほか、今年は兵器級プルトニウムを製造していたとみられている原子炉を再稼働させたもようだ。
学術誌「Science & Global Security」で先月発表された、スタンフォード大学の研究者とアリゾナ州の鉱山コンサルティング会社の研究によると、北朝鮮は生産量を増やすことができる可能性があり、その他のウラン工場を必要としていないという。
研究報告は「DPRK(北朝鮮の正式名称の略)がこれまで利用してきたよりもかなり大きな製錬能力があるように見えることは明白だ」と指摘。「これは、望めばより大量の製錬天然ウランを製造できることを意味している」とした。
アナリストによると、平山ウラン濃縮工場とそれに付随する鉱山は北朝鮮が唯一公式に認めているイエローケーキ(ウラン精鉱)の供給源だ。
北朝鮮の核兵器に関する情報は限られているが、科学国際安全保障研究所のデービッド・オルブライト所長はこれまでロイターに対し、北朝鮮は年間で核弾頭4─6個分の材料を製造する能力があるとの推定を示している。
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