中国共産党政権は、台湾を国際社会で孤立させる戦略を展開している。この度、バンクーバー市と高雄市との「友好都市協定」をめぐり、在バンクーバー中国総領事館は「断固として反対する」と声明を発表した。両市は領事館の主張を一蹴し、友好都市協定に前向きに取り組むとしている。
バンクーバー市議会は9月、ケネディ・スチュワート市長が提案した「友好都市プログラム」を採択し、台湾南部に位置する高雄市を推薦した。5日に行われた台湾人コミュニティメンバーとの懇談会でスチュワート氏は「バンクーバーは高雄市との友好都市協定を歓迎する」と述べ、台湾とカナダが民主主義と自由という共通の価値観を持っているとコメントしたという。
これに対し、バンクーバー中国領事館は9日、「台湾は中国の領土の不可分の一部であり、いかなる形でも台湾当局との公式交流は『一つの中国』原則に反する」と批判する声明を出した。バンクーバー市が台湾地域の都市と友好都市関係を結ぶことに「断固として反対する」と警告した。
友好都市協定は観光や教育面、貿易などで交流を深め、相互利益を強めることを目的とする。
台湾の領事館に相当する駐バンクーバー台北経済文化代表処のエンジェル・リウ所長は、中国領事館の警告は「理不尽」であり、「全く受け入れられない」とポストメディア・ニュースに語った。「中国共産党政権が台湾の国際的な活動に対していつも行っていることの繰り返しに過ぎない。今後も国際的な友好関係を築いていく」と述べた。
中国共産党政権はこれまでにも、台湾の台北市と姉妹都市協定を締結したプラハ市に対し報復措置を取るなど威圧的な態度を示してきた。プラハ市は19年、北京市との姉妹都市協定に記載されていた、台湾を中国の領土の一部とする「一つの中国」原則を非難し、同市との姉妹都市関係を解消した。その後、台北市と姉妹都市協定を結び「中国のような独裁政権に屈することはない」とコメントした。
高雄市の陳其邁市長は、在外華人メディア「看中国」に対し「北京が台湾の外交問題に干渉することは市民の反感を買うだけだ」と中国を牽制した。
バンクーバーは現在、横浜やオデッサ(ウクライナ)など、5つの都市と友好都市関係を結んでいる。
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