イギリスの日用品・食品大手ユニリーバ社は18日、「リプトン」などのブランドを手掛ける紅茶事業を投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに45億ユーロ(約5843億円)で売却すると発表した。手続きは2022年の下半期に完了する見通し。ユニリーバが発表した。
売却されたのはリプトンなど34のブランドを持つ大手ティーブランドカンパニー「エカテラ(ekaterra)」。ユニリーバによると、紅茶事業は2020年に約20億ユーロの収益を生み出していた。
ユニリーバのアラン・ジョープCEOは紅茶事業の売却について、成長性を重視した戦略に基づく判断だったと明らかにしている。ユニリーバは最大の収益源である新興国市場での高いインフレコストに直面して競争に苦戦していた。
株価の低迷も続き、再建を迫られていた。ジョープ氏は今後、代替肉などの植物性食品、栄養食品、美容品などの高成長分野に注力する計画だという。
エカテラについて「我々の企業が紅茶事業に携わることができたのを誇りに思っている。数々の魅力的なブランドとグローバルな展開を持つエカテラがCVCのもとで更に発展することを期待している。紅茶事業に献身的で情熱的な世界中の同僚に感謝する」とジョープ氏は述べている。
エカテラのジョン・デビソンCEOは「エカテラは勢いのある事業だ。世界をリードする紅茶事業として更なる高みを目指していく」と述べた。
一連の手続きは労使交渉や規制当局の許可を経て、2022年下半期に完了する予定。
なお、インドやネパール、インドネシアにおけるユニリーバの紅茶事業や、米飲料大手ペプシコとの合弁事業は継続するという。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。