中国山東省平度市の女性市民はこのほど、市政府職員の指示を受けた黒社会(暴力団)のメンバーに殴打された。女性は以前、土地の強制収用を巡って市政府や中央政府に陳情していたが、2年半の懲役刑を言い渡された。
平度市に住む李延香さん(51)は27日、襲撃を受けたときの状況を大紀元に語った。
それによると、26日夜、夫の運転で病院に行くのに自宅を出た時から、暴力団員に尾行された。途中、ガソリンスタントで給油している時、夫婦は暴力団員らに囲まれた。夫は李さんに逃げるよう促し、警察に通報したが、暴力団員らは李さんを車に連れ込み、李さんを裸にして殴る蹴るの暴行を加えた。
「1人のヤクザは殴りながら、『俺らは政府に雇われたヤクザだ。ここで死ね』と叫んでいた」
通報を受けた地元警察は現場に駆け付けた。警察側は「(暴力を振るったのは)市政府信訪局(陳情窓口)の人だった」と夫婦に告げ、被害届を受理しなかった。
李さん夫婦はその後、平度市政府に事情を話し調査を求めたが、「対応してくれる市政府の幹部は誰一人いなかった」という。
李さんは地元でリサイクルショップを経営していた。2013年12月、土地収用を巡って、青島市即墨区大信鎮政府は正当な法の手続きがないまま、李さんのリサイクルショップを強制的に解体した。この土地の強制収用で李さんは個人資産50万元を失った。
その後、李さんは地元政府だけでなく、北京市にある中央政府の陳情窓口にも複数回陳情に行ったが、そのたびに拘束された。地元当局からの嫌がらせや監視も絶えなかったという。
2017年8月、李さんは北京市警察に拘束され、地元に連行された。地元の拘置所では、拘束に抗議して、李さんは数カ月間ハンストを行った。18年2月、平度市の地裁は李さんに対して、騒乱挑発罪の有罪判決を下し、懲役2年半を言い渡した。
李さんは刑務所で、得体の知れない薬物を飲まされ、2回も危篤状態に陥っていた。20年1月に釈放された時、李さんの両足に障害が引き起こされていた。
大紀元は29日、平度市政府信訪局の王安平局長に取材を試みたが、コメントを得られなかった。即墨区大信鎮政府も取材に応じなかった。
(翻訳編集・張哲)
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