中国共産党の指導者たちがウイグル人弾圧に関与していると示す文書が新たに公開されたことを受け、英国の超党派議員らは、北京冬季五輪を外交的に全面ボイコットするよう政府に求めた。ジョンソン首相は政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を検討していると述べるに留まり、公式声明は発表していない。
ウイグル人に対する人権侵害を調査する独立民衆法廷「ウイグル法廷」がネット上で公開した一連の文書には、習近平国家主席をはじめとする中国の指導者たちが、同国のウイグル弾圧に関与していることが示されていた。
文章の公開を受けて、保守党のダンカンスミス元党首は、「ウイグル人の大量虐殺に加え、香港をめぐる英国との国際条約を破棄し、同政権に異論を唱えるものを逮捕・迫害している国だ」と述べ「英国が北京冬季五輪を外交的にボイコットすると断言するのに、これ以上何が必要なのか」と訴えかけた。
労働党のスティーヴン・キノック下院議員は、中国共産党の残虐行為を理由に外交的ボイコットを求めているにもかかわらず、政府は「手をこまねいている」と批判した。また、「王室メンバーを北京冬季五輪に派遣して、自国民に対するおぞましい犯罪を指揮している人々と肩を並べることが適切だと考えるか」と述べ、王室がオリンピックに参加する義務があるのかと政府に回答を求めた。
英下院は7月、人権状況が改善されない限り、北京冬季五輪への招待を拒否するよう英政府代表らに求める決議を採択するなど、外交的ボイコットの声が強まっている。自由民主党のクリスティーン・ジャーディン議員は、女子テニスの彭帥氏が中国共産党元幹部から性的暴行を受けたと告発した事件により「緊急性」が求められていると訴えた。
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