中国人権問題に取り組む3つの自民党および超党派議員連盟の幹部は14日、首相官邸を訪ね、岸田文雄首相に来年2月の北京冬季五輪に政府使節団を派遣しない「外交的ボイコット」実施を求める要望書を提出した。文書では「中国政府は人権侵害に対する懸念を自ら払拭するべきだ」との警告を含んでいる。
声明を提出したのは「日本チベット国会議員連盟」(代表・下村博文前政調会長)と「日本ウイグル国会議員連盟」(古屋圭司政調会長代行)、「南モンゴルを支援する議員連盟」(高市早苗・政調会長)。
中国共産党政権はウイグル人やチベット人、南モンゴルのほか香港や法輪功、地下教会信仰者らに対する弾圧を継続していると、欧米や国際人権団体、国連人権特別報告官などから非難され続けている。
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声明は政府に対して「懸念を抱えたまま外交・政府代表団の派遣をすべきではない」と訴えた。自民党の下村博文前政調会長によると、首相は「時期を見計らい適切な判断を考えたい」と話したという。読売新聞などによれば、政府は北京冬季五輪へ閣僚の派遣を見送る調整をしているという。
米英カナダ豪NZによる情報協定「ファイブアイズ」の5カ国は政府使節団を送らない「外交的ボイコット」をすでに表明している。欧州議会では7月、中国共産党政権が人権状況を改善しない限り、EU加盟国に北京五輪をボイコットするよう求める決議案を成立した。リトアニアはボイコットを表明しているが、フランス、オランダは慎重な姿勢を示している。
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