日台の与党議員らは18日午前、安全保障について意見交換する会議をオンライン形式で開催した。出席した中山泰秀元防衛副大臣は、台湾の安定支援を定めた米国の「台湾関係法」に準じる法律を日本も制定するべきだと主張した。台湾の議員からも「日本関係法」成立を目指し関係深化に繋げるとの意見が出た。
第一回「日台安全保障パートナーシップフォーラム」と称した会議には、日本からは中山氏と田畑裕明総務副大臣が参加。台湾からは与党民進党の王定宇氏、趙天麟氏、林靜儀氏の各立法委員(国会議員に相当)が出席した。
趙天麟氏は、台湾も日本も中共の脅威にさらされている「生命共同体」だと例え、台湾でも「日本関係法」を推進して高レベルの交流が必要だと述べた。また日台相互関係を強化すれば、情勢変更を試みる一方的な行動には厳しい代償を伴うと中国共産党を警告することができるとした。
このほか、双方は中共の関与とみられる偽ニュースの対応や日本と台湾周辺の海上国境の防衛、日米軍事演習の台湾軍参加などについて意見を交わした。
林靜儀氏は中共の世論工作の一環である偽ニュースについて、2018年の大型台風により関西国際空港で足止めされた観光客への対応をめぐり台湾外交官および政府が中傷されたことや、福島県の東京電力原子力発電所の影響と食の安全に関する偽情報が出回ったことを例に挙げた。林氏は情報領域の安全について日台で協力機会を模索できるとした。
岸田文雄首相は17日の施政方針演説の中で、中国などの周辺国を念頭に置いた防衛力強化を説き「新時代リアリズム外交」を展開していくと表明。林芳正外相も衆議院での演説で、台湾海峡の平和と安定の重要性を唱えるとともに、香港や新疆ウイグル自治区における人権状況に「深刻な懸念」を示した。
日台の議員間交流は昨年以降活発になっている。昨年8月には与党間の外交、国防両分野の議員が第一回目「外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)」与党版として会談を開催。12月末に行われた2回目では戦略物資としてみなす半導体分野に関して双方は全面協力していくことで一致した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。