米下院の超党派議員は19日、国際オリンピック委員会(IOC)が中国当局による人権侵害を無視しているとして、対抗措置となる「無責任なオリンピック協力法案」(Irresponsible Olympic Collaboration Act、IOC Act)を議会に提出した。
共和党のマイク・ウォルツ下院議員と民主党のジェニファー・ウェクストン下院議員が共同で提出した。
同法案は、米当局者や国際人権団体の2022年冬季五輪開催地を他国に移すという要求や呼びかけを、IOCが聞き過ごしたことへの対抗措置であるという。法案は、IOCが米国内で享受する免税優遇資格をはく奪すると規定する。
米国連邦税法501条C項4号では、IOCは公益団体、社会福祉団体などと認められ、免税優遇の対象となっている。
ウォルツ議員は19日のリモート記者会見で、記者団に対して「IOCの言動を見ると、IOCは社会福祉団体とはかけ離れたものである」と話し、「われわれは、IOCは免税ステータスを保有し続けるべきではないと考える」とした。
ウェクストン議員は、IOCは人権問題より利益を重んじていると批判し、「来月開催のオリンピックを前に、IOCは依然として中国当局を支持し、当局によるウイグル人大虐殺や他の人権侵害行為の隠ぺいを手助けし、唆している」と指摘した。
「(中国当局による)人権侵害問題で引き続き共謀しているIOCは、慈善団体ではない。IOCに免税ステータスを与えてはいけない。米納税者の税金を彼らへの補助に充ててはならない」とウェクストン議員は述べた。
スイスに本部を置くIOCの主な収入源は、大会のテレビ放映権料や各国のスポンサー企業からの資金提供だ。
ウェクストン議員によると、2018年、IOCは米税務当局に対して20億ドル(約2278億円)規模の免税申請書を提出した。議員は、「無責任なオリンピック協力」法案が議会で採択されれば、IOCにとって大きな「懲罰」になると語った。
(翻訳編集・張哲)
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