米NBCのゴールデンタイムのオリンピック報道を担当する同局スポーツキャスターのマイク・ティリコ氏は、予定より3日早く北京から切り上げた。理由は明かされていないが、同キャスターの発言が原因であるとの憶測が出ている。
ティリコ氏は、冬季オリンピックの現地報道を担う数少ない米リポーターの一人だが、予定されたゴールデンタイムの18放送枠のうち13枠を残して急遽、米国に戻った。10日まで北京に滞在する予定だった。
同キャスターは今回のオリンピック報道で、中国共産党による新疆ウイグル族へのジェノサイドなどに言及した。
AP通信によると、NBCの幹部は、ティリコ氏のスケジュールは中共ウイルス(新型コロナ)やほかの事情により変更になる可能性があると示唆した。
ティリコ氏は4日の開会式の報道で、中国は「新型コロナウイルスの発生国」であると述べた。中国政府の人権問題を理由に米国をはじめとする欧米諸国などが同大会を外交的ボイコットしたことにも言及。米政府が「中国政府がウイグル族のジェノサイドを行なっている」と発表した、と発言した。
「主催国、招待客、国際オリンピック委員会、スポンサー、メディア、選手など、今回のオリンピックにかかわる全員、すべてのことはこれらの問題に関係している」とティリコ氏は持論を展開した。
NBCはティリコ氏の早期帰国の理由を説明していない。中国政府からの圧力があったのではないかという憶測が出ている。
いっぽう、米フロリダ州の共和党マイク・ウォルツ下院議員がこのほど、NBCは、中国共産党による人権侵害を批判する自らの広告放送を拒否したと発言し、広告には、中国政府の諸々の人権問題を糾弾しているNBAのボストン・セルティックスのエネス・カンター・フリーダム選手も出演したことを明かした。
同議員は、NBCは中国共産党の味方になっていると発言した。
NBCスポーツは、 4日の北京冬季オリンピック開会式の米国内視聴者が約1400万人規模と発表した。前回の平昌冬季五輪の半分程度に相当する低い水準にとどまった。放送開始からの4日間は米国では五輪史上過去に例のない低い数値となっている。
(翻訳編集・叶子静)
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