外務省は11日、ウクライナ全土の危険情報を最も厳しい「レベル4」(退避勧告)に引き上げ、在留邦人の速やかな出国を呼びかけた。ウクライナとの国境沿いではロシア軍の増強等により緊張が高まっており「事態が急速に悪化する可能性が高まっている」とした。
外務省は「民間航空機の運行停止は否定できない」として最も安全な方法で在留邦人に退避するよう呼びかけている。在ウクライナ日本大使館は11日現在、首都キエフで邦人保護業務など領事業務等を継続している。
危険情報の引き上げにともない、政府は同日、首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。
外務省によると「すでに多くの国が同様にウクライナ国外への出国を勧告しており、商用便への予約が殺到し座席の確保が困難となるなど、今後、出国が著しく困難になる可能性もある」という。
隣国ベラルーシでは10日からロシアとの軍事演習が始まり、20日まで続く予定。ロシア軍艦船は黒海に入っている。いっぽうウクライナ側でも軍事演習が行われている。
ブリンケン米国務長官は11日、訪問先のオーストラリアでの記者会見で、北京冬季五輪開催中も含めいつでもロシアはウクライナに侵攻する可能性があると述べた。米国務省は在ウクライナ米大使館職員を引き揚げさせており、最高レベルの退避勧告を発出している。
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