米メタ・プラットフォームズ傘下のフェイスブックは、ユーザーがアカウントをログアウトした後もネット活動を追跡していたとされる10年前の訴訟をめぐり、9000万ドルの和解金を支払うことに同意した。
メタと原告との和解案は、14日夜にカリフォルニア州サンノゼの地方裁判所に提出された。今後、裁判官による承認が必要となる。承認されれば、データとプライバシーに関する集団訴訟の和解案としては過去10番目に入る規模となる。
和解案は、フェイスブックが不適切に収集したデータの削除を求めるほか、2010年4月22日から11年9月26日の間に、フェイスブックの「いいね」ボタンが表示された外部サイトを訪れた米国ユーザーに1人あたり最高5000ドルを支払うとした。
裁判資料は、フェイスブックが「いいね」ボタンが表示された外部サイトを訪れた際に追跡するクッキーを保存するプラグインを利用したと指摘。これによりユーザーが訪問したサイトや購入・閲覧情報を収集していたと主張した。
フェイスブックは収集した情報をプロファイルにまとめ、広告主に販売していたとされる。
原告側の弁護士ステファン・グルジエル氏は和解金の合意を受けて「ユーザーデータを収集し、高度なブラウザトラッキングを使用しているネット企業や広告企業に警鐘を鳴らすものだ」と声明を発表した。
メタの広報担当者は大紀元宛のメールで「10年以上前の件で和解することは、当社のコミュニティと株主にとって最善の利益であり、この問題を解決できることを嬉しく思う」と述べた。
フェイスブックは他にもデータプライバシー侵害の疑いで提訴されている。投稿写真に映る人物を自動でタグ付けするのはプライバシーに関する州法に違反しているとして、イリノイ州住民は15年に同社を集団提訴。連邦地裁は昨年2月に6億5000万ドルの和解案を承認した。
2月14日には、テキサス州司法長官が同様に投稿写真や動画にある顔認証機能はユーザーのプライバシーを侵害しており州法違反にあたるとして、メタを提訴したと発表した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。