台湾の外交部は21日、ポンペオ前米国務長官が3月2~5日に台湾を訪問すると発表した。蔡英文総統や頼清徳副総統らと会談するほか、4日にシンクタンク「遠景基金会」主催のシンポジウムで講演する予定だ。
外交部は、ポンペオ氏の訪台は米国の超党派による台湾への「揺るぎない」支持を示すものだと強調した。「内政、ビジネス、学術などあらゆる分野の人々と交流し、台米の友好関係を強化する」と述べ、ポンペオ氏の訪台を歓迎した。
ポンペオ氏は2018年4月から21年1月までトランプ政権の国務長官を務めた。在任中は同政権の下、正式な外交関係を持たない台湾への武器売却を積極的に承認するなど台米関係を発展させた。中国共産党の台湾への軍事的威嚇には厳しい姿勢を示し「台湾の長期的かつ確固たる友人」と評された。
自由時報によれば、ポンペオ氏の中国政策首席顧問を務めたハドソン研究所のマイルズ・ユー(余茂春)氏も同行する。趙天麟立法委員(国会議員)は中露がインド太平洋地域で軍事的野心を隠さないなか、対中政策に精通した同氏が訪台すれば、米国による台湾支持のメッセージになると述べた。
先月23日には、中国軍機延べ39機や爆撃機1機が台湾の防空識別圏(ADIZ)へ侵入した。中国共産党は台湾への威嚇を強め、台湾統一には武力行使も辞さない構えを示している
ポンペオ氏は20年の米ラジオ番組で「台湾は中国の一部ではない」と発言し、レーガン政権時代から35年にもわたって続いている米政府の立場だと指摘した。1979年に定めた台湾関係法に基づき、中国共産党の軍事的脅威にさらされる台湾へ「自衛手段を提供する責任がある」とも強調した。
先月出演した国際会議アーガス・アメリカス・クルード・サミットでは、第二次世界大戦後に確立されたルールに基づく国際秩序が中国共産党の台頭で破壊される恐れがあると警告した。中国共産党による影響力の増大は台湾への軍事圧力という局所的な問題に留まらず、世界の政治的な権力バランスに関わる問題だと指摘した。
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