21日に中国・北京市内で公務中の日本大使館員が当局によって一時的に拘束された事案について、垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使は22日夜に中国外交部を訪れ、呉江浩外務次官補に対して厳重な抗議を行い、謝罪と再発防止を強く求めた。日本大使館が明らかにした。
林芳正外相は22日夜の記者会見で、大使館員の一時拘束は外交官の不逮捕特権などを定めた「ウィーン条約の明白な違反であり、とうてい看過できず断じて受け入れられない」と強調した。
森健良外務事務次官も同日、楊宇駐日中国臨時代理大使を外務省に呼び、厳重な抗議を行うとともに、謝罪と再発防止を強く求めた。楊氏は「本国に報告する」と述べた。
NHKなどによると大使館員は拘束から数時間後に解放され、けがはないという。
中国外交部は、同大使館員が外交官としての身分にそぐわない活動をしていたと主張、日本側の申し入れを拒否した。
中国では2014年にスパイ防止法が成立して以降、少なくとも15人の日本人がスパイ容疑などで当局に拘束されているが、外交官の拘束は異例。
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