米上院共和党議員らは24日、中国共産党政権による米国へのスパイ活動が国家安全保障にもたらす脅威について再認識し、最優先事項とするようガーランド司法長官に求めた。司法省(DOJ)は先月、人種差別や偏見を煽っているとし、2018年にトランプ政権が開始した「チャイナ・イニシアチブ」の終了を発表していた。
マルコ・ルビオ議員を中心とする5人の上院議員らは書簡のなかで、中国共産党の産業スパイや技術窃盗などの摘発を担うチャイナ・イニシアチブを終了したことで、米国は中国共産党の脅威に有効に対抗できない恐れがあると訴えた。
米中関係が緊迫化するなか、中国共産党の脅威への対抗戦略の重要性が増しているとしチャイナ・イニシアチブの取り止めを再考するよう求めた。
中国共産党は国境を越えた反体制派や活動家への弾圧政策を展開している。司法省は16日、米国にいる元中国学生運動リーダーらに監視や嫌がらせ行為を行ったとして中国共産党の工作員5人を起訴した。北京冬季五輪にフィギュアスケート女子米国代表として出場したアリサ・リュウ(劉美賢)選手と中国出身の父アーサー(劉俊)氏なども工作員によるスパイ活動の標的になっていた。
北京五輪フィギュア女子の米代表と父、中国スパイの標的に…北京で「家に来て」
書簡はチャイナ・イニシアチブの終了で、今後捜査手順にどういった変更を加えるのか、中国共産党の活動にどう対抗するのかなどの質問に回答するよう求めた。また中国共産党への脅威に対処することは、中国人や中国系米国人に対する人種差別を助長するものではないと付け加えた。
「中国共産党は中国人を代表していない。同党の全体主義的な統治モデルの最大の犠牲者は、中国国民自身だ」と述べた。
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