岸田文雄首相は1日未明、G7(主要7か国)やNATO(北大西洋条約機構)の首脳との電話会談に参加し、ロシアの侵略を強く非難するとともに厳しい制裁を課していくことで一致した。先立って行われたウクライナ大統領との電話会談では、同国の確固たる支持と1億ドルの緊急人道支援を行うと伝えた。ベラルーシに対する制裁にも言及した。
G7首脳等会談は米国のバイデン大統領の呼びかけによるもので、NATOの首脳やポーランド、ルーマニアの首脳も参加した。会談では、ロシアによる侵略を強く非難し、ロシアに対して厳しい制裁を課していくとともに、ウクライナの主権と領土の一体性を支持することで一致した。
日本経済新聞は1日、日銀はロシア中銀から預かる外貨準備を凍結すると報じた。2021年時点で金額は4兆〜5兆円規模という。中銀の外貨準備凍結は異例の措置。
ゼレンスキー大統領との電話会談
会談に先立ち、岸田首相は28日夜、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行った。ウクライナの主権と領土的一体性に対する支持を伝え「祖国と家族を守ろうと懸命に行動するウクライナ国民と共にある」と日本の立場を示した。既に表明した1億ドル規模の借款に加え、人道支援として1億ドルの緊急人道支援を行うとした。
欧米諸国と歩調を合わせ、ロシア中央銀行との取引を制限する制裁措置を採ると語った。ロシアによるウクライナ侵略への明白な関与が認められるベラルーシについては、「ルカシェンコ大統領を始めとする個人、団体への制裁措置や輸出管理措置等を講じて」いくことを明らかにした。
このような日本の取り組みに対しゼレンスキー大統領は感謝の意を表した。
政府は邦人保護にも努めると発表した。ウクライナ情勢の緊迫化を受け、ウクライナ国境に近いポーランドのジェシュフ市に臨時の連絡事務所を28日に開設した。ウクライナ西部のリヴィウ市に設置した連絡事務所と連携し、在留邦人の安全確保と退避する邦人の受け入れを行う。
首相はまた、「帰国に不安を抱く在留ウクライナ人の方々の在留の延長を可能とする措置を採る」と述べた。
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