トヨタ自動車の仕入れ先である小島プレス工業（愛知県豊田市）がサイバー攻撃を受けたことについて、松野官房長官は1日の会見で経済産業省など関係省庁で情報収集を行っていると述べた。ウクライナ情勢などからサイバー攻撃のリスクが高まっているとし、不審な動きを把握した場合には所管省庁に速やかに連絡するよう呼びかけた。

トヨタ自動車は2月28日、小島プレス工業のシステム障害の影響を受け、1日に国内の14工場28ラインの稼働停止を発表した。共同通信によれば小島プレスはサーバーのウイルス感染と脅迫メッセージの存在を確認したという。

ロシアによるウクライナ侵略が始まる前から、両国の政府ウェブサイトがアクセス不能になる事件が複数発生した。松野長官は昨今の国際情勢から、DDos攻撃や「身代金」を要求するランサムウェアなどによるサイバー攻撃リスクが高まっていると指摘。被害は攻撃を直接受けた企業のみならず取引先にも及び、サプライチェーンにも影響する可能性があるとし、産業界と企業に対し警戒を呼び掛けた。

経済産業省は23日、企業の経営者に対してサイバーセキュリティの取組の一層の強化を促す注意喚起を行った。「サイバー攻撃事案の潜在的なリスクが我が国においても高まっていると考えられる」と記している。また、国外拠点等も「国内の重要システム等へのサイバー攻撃の足掛かりになることがある」と指摘した。