[キエフ/リビウ 18日 ロイター] – バイデン米大統領は18日、中国の習近平国家主席とオンライン会談し、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、中国によるロシアへの支援をけん制した。ウクライナ各地では18日もロシア軍の攻撃が続き、民間施設への砲撃で死傷者も出る中、民間人の犠牲を巡る懸念が強まっている。
習主席はオンライン会談でバイデン大統領に対し、ロシアとウクライナによる戦争を一刻も早く終結すべきと強調した上で、米国など北大西洋条約機構(NATO)加盟国にロシアとの対話を呼び掛けた。ウクライナに侵攻したロシアに対する非難の言葉は口にしなかった。バイデン大統領はこれに対し、中国がロシアに物資的支援を行った場合、結果を伴うと警告した。
一方、ウクライナ軍はロシアの進軍を食い止めているもようで、英当局によると、今週のロシア軍の進軍は最小限にとどまっている。
しかし、ロシア国防省は、ウクライナ南東部マリウポリ周辺の「包囲網を狭めている」とし、戦闘が市の中心部で展開されていると述べた。
マリウポリでは、数百人の住民が避難していた劇場が今週爆撃を受け、救出活動が続いている。130人の生存者が救出されたが、なお数百人が瓦礫の下に閉じ込められているとみられている。
これまでに、マリウポリ市内の家屋約80%が攻撃の被害を受けてたと試算されている。
フランスのマクロン大統領は18日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ここ数日で砲撃を受けているマリウポリの状況について「非常に懸念している」と伝えた。
ウクライナ西部リビウ市長によると、リビウの航空機整備工場がミサイル攻撃を受けた。首都キエフではミサイルが集合住宅に着弾し、当局によると1人が死亡し4人が負傷。第2の都市ハリコフでも民間のビルが砲撃を受け、1人が死亡、11人が負傷した。
また、国連世界食糧計画(WFP)の緊急コーディネーターは、ウクライナの「食料サプライチェーンが崩壊しつつある」と警鐘を鳴らした。
ロシアとウクライナの停戦交渉は18日も続けられた。ロシア側の交渉責任者を務めるメジンスキー大統領補佐官は、ウクライナの非軍事化を巡る合意は「半ば」に達しているほか、ウクライナの中立化およびNATO加盟の断念については最も見解が一致していると述べた。一方、ウクライナ側交渉団のポドリャク大統領顧問は、「ロシア側の発言は要求事項にすぎない」とし、ウクライナ側の見解に変わりはなく、停戦、ロシア軍の撤退、安全保障につながる和平交渉を求めているとツイッターに投稿した。
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