中国CCTV、米NBA試合中継を再開 「二度と愛国心煽るな」との批判

2022/04/01 更新: 2022/04/01

中国国営中央テレビ(CCTV)は3月30日、米プロバスケットボールNBAの試合を約1年半ぶりに生中継した。2019年10月、中国でも人気のヒューストン・ロケッツの幹部が「香港とともに立ち上がろう」とツイートしたことで騒動に発展し、CCTVは放送を中止していた。

NBAは中国で人気が高く、中継の視聴者は数百万人に上ると言われている。

CCTVのスポーツチャンネルが中継に選んだのは、NBAレギュラーシーズンのロサンゼルス・クリッパーズとユタ・ジャズの試合だ。

クリッパーズのタロン・ルー(Tyronn Lue)ヘッドコーチが最近、「以前のツイートがNBAに10億ドルの損害を与えた」とヒューストン・ロケッツの幹部を批判していたためとされる。

ただ、NBAは騒動について謝罪していないにもかかわらず、今回のCCTVによる放送再開は物議を醸している。

ネットユーザーの中には、「二度と愛国心を煽るな」などと官製メディアとしての対応に怒りを露わにする人もいる。

「ニーズに応じて『大義のため』だとか、『外国勢力』などと使い分けている」などの皮肉も見られた。

北京の独立系評論家である華頗氏は、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、愛国心の扇動は「諸刃の剣」だと指摘した。

「当時は情勢に応じて制裁が必要だったが、中国を鎖国するのは不可能だ。放送再開は時間の問題だ」と話した。

台湾香港協会の桑普理事長はRFAに対し、「中国は米国とのデカップリングを望んでいない。中国はNBAの中国回帰を望んでいる」と指摘した。

CCTVは20年10月に一時的に中継を再開したものの、再び放送を停止。当時も批判の声が上がっていた。

(翻訳編集・李凌)

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