英紙フィナンシャル・タイムズによると、米政府は中国メモリ半導体企業の長江存儲科技有限公司(長江メモリ、YMTC)が米国の輸出規制に違反し、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)に半導体を提供したとして、調査を進めている。
報道によると、カナダの電子機器構造や部品を解析する企業、テックインサイツ(TechInsights)が米国商務省産業安全保障局(BIS)に提出した報告書は、ファーウェイが昨年発表した最新スマートフォン「HUAWEI Enjoy 20e」にYMTCのメモリ半導体が使われていると示した。メモリ半導体自体は2021年2月に製造されたものだという。
当局者らは報告書の内容について「信頼できる」とし、BISが調査を経てから何らかの対応措置を講じると推測した。
米トランプ前政権は国家安全保障上の懸念があるとして、政府機関内でファーウェイの通信製品の使用を禁止したほか、20年5月に外国直接製品規制(FDPR)を改正し、ファーウェイに米国の技術や設備で製造された半導体を販売する前に米政府の許可を取得することを義務付けた。
YMTCは中国最大のメモリ半導体メーカーで、中国政府の圧力の下で米国の半導体製造設備への依存度を低減しようとしているが、生産プロセスにおいて依然として米技術に頼らざるを得ないのが実状だという。
米下院外交委員会の野党筆頭委員であるマイケル・マコール議員(共和党)は、「YMTCはFDPRに違反しているようだ」と述べ、同社を金融措置対象リストに加えるよう商務省に呼びかけた。
ウィリアム・ハガティ米上院議員(共和党)も昨年7月、ジーナ・レモンド商務長官宛ての書簡で、バイデン政権に対してYMTCと中国軍の関係を注視し、同社を禁輸措置対象リストに追加するよう求めた。
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