台湾地裁、共産党支持のSNSアカウント管理者に懲役

2022/05/13 更新: 2022/05/13

台湾の花蓮地方裁判所は今月上旬、中国SNS上で過激な言論を繰り返す愛国主義者グループ「帝吧」の台湾人アカウント管理者に対し、中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大を巡って虚偽情報を流布した罪で有罪判決を下し、懲役3カ月を言い渡した。

「帝吧」は中国版ツイッター、微博(ウェイボー)だけでなく、フェイスブックにもアカウントを持つ。微博のアカウントには154万人のフォロワーがいる。同グループはネット上で「外国の反中勢力と敵対勢力」を攻撃し、台湾や香港などの有名人のアカウントに中国共産党支持のコメントを溢れさせることで知られている。

2016年1月、韓国の女性アイドルグループ、TWICEの台湾出身のメンバー、ツウィ(周子瑜)が韓国のバラエティー番組に出演した際、中華民国の国旗を掲げたことで、中国の愛国主義者らはネット上で「台湾独立分子だ」などとバッシングした。当時「帝吧」のメンバーらは蔡英文総統や台湾メディア「三立新聞」などのフェイスブック・アカウントに批判的な内容を大量に投稿した。

花蓮地方検察署の捜査によれば、住民の男の尹垣程被告(37)は16年にフェイスブック・アカウント「帝吧中央集団軍」と「帝吧根拠地」の管理者を引き継いだ。被告は以前にフェイスブックの利用規約違反でアカウントが複数回停止された。このため、被告は他人の健康保険証やパスポートの情報を使って、複数のアカウントを開設した。

地検は起訴状で、尹被告はネット上で中共ウイルスに関する偽情報を流したとした。

同被告はある投稿の中で「台湾の武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症)の感染者は817人を上回り、500人が死亡した」とデマを流し、蔡英文政権が事実を隠蔽したと批判した。

台湾メディア「自由時報」7日付は、尹被告は17年に中国山西省出身の女と結婚した。2人は19年8月に中国江西省へ行き、「ネット工作員の訓練を受けた」と報じた。尹被告らが台湾に戻った後、台湾の大統領選挙や中共ウイルスの感染拡大を巡って偽情報をネット上で流し始めた。

花蓮地検は、特種文書偽造罪で尹被告の妻を起訴した。

花蓮地方裁判所は一審判決で、尹被告に感染状況に関して虚偽情報を拡散した罪で懲役3カ月と、文書偽造罪で拘役(拘禁刑)50日を言い渡した。尹被告の妻、劉慧被告に特種文書偽造罪で拘役40日、猶予期間2年を言い渡した。

王定宇立法委員は「2人への量刑が軽すぎる」と大紀元に語った。

王氏は、「帝吧」などは中国共産党の台湾社会に対する認知戦を繰り広げていると指摘し、共産党から指示を受けているかどうか、台湾の国家安全当局に徹底的に調査するよう呼びかけた。

 

張哲
張哲
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