ノルウェー在住のウイグル人活動家アブドゥウェリ・アユプ(Abduweli Ayup)さんは17日、リークされた新疆ウイグル自治区警察当局の2つのデータベースを米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に提供した。データベースには、近年、新疆の各地で拘束された3万人近いウイグル人の個人情報が入っている。
個人情報の中にはウイグル人の氏名、性別、生年月日、身分証明書番号、自宅住所のほかに、逮捕された際の罪名、刑期、収監された刑務所の住所も含まれている。警察当局はこれらの住民を「社会秩序騒乱罪」や「宗教活動などを利用し法執行を妨害する罪」「騒動挑発罪」などで拘束したという。
アユプさんと妻の親族、知人数人もデータベースに登録されている。
リークの経緯は不明。
トルコ・イスタンブールに移住したヌルシマングル・アブドゥレシッド(Nursimangul Abdureshid)さんはVOAに対し、同データベースで弟や自宅近所の人々の情報を見つけたと話した。
アブドゥレシッドさんの両親と2人の兄弟は2017年、中国当局にテロ関連の容疑で逮捕された。同氏は「私たちはこれまで国際社会に向けて、何百万人ものウイグル人が中国政府に拘束されたと訴えてきた。今やっとその一部の証拠を見つけた」と話した。
国際人権団体は近年、中国政府がウイグル人や他の少数民族住民を100万~200万人拘束したとして批判を強めている。米政府は2021年1月、中国政府によるウイグル人弾圧政策を大量虐殺(ジェノサイド)と人道に対する罪を犯したと認定した。
ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官らは今月中国を訪問し、新疆など各地を視察する予定。
アユプさんらは「中国側がバチェレ氏の訪問活動を制限する可能性は極めて高い。訪問は弾圧の実態解明に結びつかないだろう」とVOAに語った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。