中国、インド領土内またもや橋建設「あらゆる措置講じる」

2022/05/23 更新: 2022/05/23

インド政府は20日、同国北部ラダック地方にある中国との係争地域に中国政府が一方的に第2の橋を建設していると発表した。同地域では2020年、中印両軍が衝突し45年ぶりに死者が出た。インドは、同地域の開発を監視し、主権を守るために「あらゆる必要な措置」を講じるとしている。

橋の建設が進んでいるのはインドのラダック地方と中国チベット自治区の実効支配線に位置するアジア最大の汽水湖であるパンゴン湖。中国は今年初めにも同湖に橋を建設しており、インド外務省のアリンダム・バグチ報道官は「中国による領土の不法占拠や不当な主張も建設活動も容認したことはない」と非難する声明を発表した。

橋は幅10メートル、長さ450メートルと推定される。現地報道によると、2つの橋によって、中国軍は北岸からルトク(湖の東端にある重要な軍事基地)への移動時間を150キロメートル短縮することができるという。

両国の緊張状態が続くなか、中国は昨年10月、国境付近の管理を強化するための「陸地国境法」を可決、成立した。国境で中国側が進めるインフラ整備などを正当化するねらいがあるとみられる。同年11月にはインド領内にあるアルナーチャル・プラデーシュ州に中国政府が違法な村を建設していると米国防総省が報告書で指摘している。

中国の王毅外相は3月上旬、デリーでインドのジャイシャンカル外相と会談し、インドとの「正常」な関係を回復する意向を表明。これに対し、ジャイシャンカル外相は中国が違法で「異常な」活動を国境地帯で続ける限り、正常化は不可能と強調した。

米国をはじめ国際関係担当。