インド外務省は27日、中国当局が陸上の国境管理を強化するための「陸地国境法」を成立させたことを受けて、声明を公表し懸念を表明した。中国当局が新しい国境法を用い、実効支配線の現状を一方的に変えてはならないと牽制した。
インドの英字紙「ヒンドゥー(The Hindu)」によると、同国外務省は声明の中で、「中国側が、国境管理や境界問題に関する既存の二国間協定に影響を与える可能性のある法律を導入するという一方的な決定に関して、われわれは懸念している」と示した。
また、「このような一方的な動きは、国境問題に関わるにせよ、あるいは中印国境地域にある実効支配線沿いの平和と安寧を維持するためにあるにせよ、中印両国が以前すでに合意した取り決めとは何の関係もない」と強調した。
インド外務省は「中国側がこの法律を口実にして、中印国境地帯の状況を一方的に変えるような行動をとることを避けるよう期待する」とした。
昨年起きた中印国境での衝突を巡って、10日、中印両軍はモルド/チュシュル会合地の中国側で、第13回軍団長級の会議を行った。しかし、双方の間で合意に達することができず、会議の初めから意見は対立した。
双方の発表によると、中国軍側は「インド側が不合理かつ現実離れしたことを要求した」と主張したのに対し、インド軍側は「国境の問題は、中国側による一方的な現状変更と合意違反によるものだ」と非難した。
いっぽう、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で可決した「陸地国境法」は来年1月1日に正式発効される。
同法は、「中国軍と紛争警察部隊が国境で任務を行う際、軍事演習や調査などの活動を組織し、(外国勢力による)侵入、浸透工作、挑発行為を断固として防止・阻止し、打撃する」と規定している。また、国境警備隊員には、特定の不法入国者に武器を使用する権限を与えるとした。
(翻訳編集・張哲)
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