オーストラリア国防省は5日、同国空軍所属の哨戒機が南シナ海上空を飛行中、中国軍の戦闘機から危険な迎撃行為を受けたとの声明を発表した。中国軍機が放出したアルミ片がエンジンに吸い込まれ、搭乗員を危険にさらしたと非難した。
声明によると、豪空軍のP-8A「ポセイドン」対潜哨戒機は5月26日に南シナ海の公海上空を飛行していた際、中国軍のJ-16戦闘機から迎撃行為を受けたという。リチャード・マールズ国防相は、中国軍機が豪空軍のP-8Aに接近し、「チャフ」と呼ばれるレーダー妨害のアルミ片を放出し、その一部がエンジンに吸い込まれたことを明らかにした。P-8Aは基地へと帰還した。
アンソニー・アルバニージ首相は中国軍機による危険行為について、北京当局に懸念を表明した。
中国軍による危険行為は最近相次いでいる。今年2月には、中国海軍の艦船が豪空軍のP-8A「ポセイドン」にレーザー照射した。4月から5月にかけては、北朝鮮の制裁回避を監視する任務に当たっていたカナダ軍哨戒機が、中国の戦闘機による「職業倫理に欠く」行為でカナダ兵士を危険にさらしたと非難した。
海洋覇権を追求する中国共産党に対し、日米豪などの先進諸国は「航行の自由」作戦を展開、国際貿易路の確保に努めている。豪国防省は声明のなかで「(オーストラリア軍は)同地域で国際法に従って警戒監視活動を数十年間行っており、公海とその上空の自由な通過権を行使している」と強調した。
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