中国で民主化運動が弾圧された天安門事件は、4日で33年となった。欧米各国で追悼イベントが開催された一方で、中国国内ネット上では統制が一段と強化された。
ライブコマースで著名なインフルエンサーの李佳琦氏(29)は3日、ナビスコの「オレオクッキー」を実演販売していた際、オレオを使った戦車を模したケーキを視聴者に見せた。この直後、ネット検閲当局がライブ配信を遮断した。
困惑する一部の若いネットユーザーに対し、天安門事件を巡る当局の措置ではないかと別のネットユーザーらが隠語で示唆した。
中国ネット上では、天安門事件を暗示する数字の「89」「64」、事件当時中国軍の戦車の行く手を遮る「戦車男(タンクマン)」を連想する言葉「戦車」だけではなく、事件を追悼するための「ろうそく」も検閲対象となった。
「It’s my duty(私の役目だ)」とのフレーズも検閲された。英BBCが2019年に制作したドキュメンタリー番組で、自転車を漕いで集会に向かう1人の男子大学生は「どうして集会に行くのか」という外国人記者の質問に、「これは私の役目だから」と答えた。ネットユーザーの多くはこのフレーズを使い、天安門事件の死傷者をひそかに追悼している。
海外ツイッター上では、中国人ユーザーらは李佳琦さんのライブ配信が中断されたことで、若い世代が天安門事件を知るきっかけになるとの見方を示した。
事件後に生まれたと自己紹介したユーザーは「李佳琦さんに感謝。(共産党の)中央宣伝部が神経をとがらせすぎているおかげで、1989年6月4日に何が起きたのかを知ることができた」とツイートした。
また「李佳琦さんのことで、戦車男は本当にいたと証明された」「事実を隠そうとしても、必ずボロが出る」などの声もあった。
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