豪ノーザンテリトリー州のウッドロフ小学校(Woodroffe Primary School)はこのほど、中国政府が資金提供する言語と文化プログラム、孔子課堂(Confucius Institute Classroom、CIC)を終了した。
州政府は、CICが中国のためにプロパガンダを行っているかについて調べると住民に約束していた。
豪メディア「ABC」3日付によると、同州教育庁の発表では、ウッドロフ小学校は昨年8月に中国側との交渉を経てCICを終了すると決定した。同小学校は2017年に同州初となる孔子課堂を開設した。
「同教室を継続しない決定は、学校の教育および学習の優先順位に基づいたものである」と教育庁のスポークスマンは述べた。
同国ニューサウスウェールズ州教育当局は1年間の審査を行った後、2019年8月に州内の13の公立学校に設置されたCICプログラムを停止した。
欧米では近年、中国教育部(省)の後押しを受けている孔子学院を中国の対外プロパガンダ機関と見なし、規制を強化した。
豪スウィンバーン工科大学の中国問題専門家、ジョン・フィッツジェラルド(John Fitzgerald)教授は豪政府に対し、孔子学院の中国語プログラムについて、より綿密に審査を行う必要があると呼びかけてきた。
教授は「豪州の学校では中国語教室が必要であることは間違いないが、孔子学院に関しては外国勢力の干渉というリスクが常にある」とABCに語った。
孔子学院は、各国に派遣する中国語教師の募集要項において「良い政治素質を要する」と明記。
中国専門家らは、孔子学院は外国人に中国語や中国文化を教える一方で、人権問題や台湾、チベット、法輪功などの問題について中国政府の主張を展開し、学生らの反対意見を抑制していると指摘した。
豪議会は2018年に「外国影響力透明化法案」を可決した。同法案は外国政府や政府系企業などの代理人に登録を義務づける。豪法務省は19年3月、国内の13の孔子学院に書簡を送り登録を促した。
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