中国共産党は中共ウイルス(新型コロナ)が世界的に流行するなか、中国国内の独立系ジャーナリストや医師、信仰者への弾圧を強めている。中国共産党は体制維持のために様々な情報を隠ぺいしており、これらの人々は「内部告発のリスク」を高める者だとみなしている。
6月28日から30日まで米首都ワシントンで開催された「国際宗教自由サミット」(共催:ブラウンバック前米宗教自由大使、ラントス人権財団理事長
カトリーナ・ラントス氏)で発表されたデータによると、コロナ禍の過去2年間で数千人以上の法輪功学習者が中国当局者や警察から嫌がらせを受け、数百人以上が実刑を言い渡された。
非営利組織「法輪大法情報センター」のエグゼクティブ・ディレクター、レビ・ブラウダ氏は討議で、中国共産党がコロナ禍にもかかわらず法輪功への迫害を強めたのは「もはや少数派ではなく、内部告発者でもあるからだ」と話した。
同センターが5月に発表した報告書「パンデミック、迫害そして押し戻しーー中国やその他地域における法輪功抑圧の傾向および分析ーー」によると、2019年には3582件の嫌がらせがあったが、2020年には9159件に急増。2021年には9332件に増加した。実刑の言い渡しは2019年が775人だったが、2021年は1372人に増えた。
「法輪功学習者は中国国内で最大の情報ネットワークとなっている」と報告書は指摘する。
市民ジャーナリストの方斌氏は1人の内部告発者だ。武漢市内の病院で次々と運ばれる遺体を撮影し、感染拡大の状況を公にした。オンラインで映像が公開されたのち、方斌氏は拘束された。昨年11月に武漢の拘置所に拘禁されたと伝えられているが確かな情報は不明だ。
報告によると、コロナ流行前、方斌氏は法輪功の信仰を理由に4年以上拘束され「ひどい拷問を受けた」という。
2021年4月には、北京でのパンデミックに関する情報を中国語版大紀元に提供したとして法輪功学習者11人が起訴された。弁護士によると11人は「2020年2~6月の間に写真を撮影し、海外のウェブサイトにアップロードした」ため起訴されたという。
米国務省は当時、11人の釈放を中国当局に求めるとともに、真実の報道を妨げる行為を非難した。「米国は中国政府に対し、新型コロナウイルスに関する報道規制を理由に拘束されたジャーナリストとその関係者を釈放し、真実を報道しようとする人々を沈黙させる取り組みを停止するよう求める」と国務省報道官は大紀元にメールで述べた。
信仰を理由に迫害され死亡した学習者の数も増加傾向にある。2021年には180人の学習者が死亡したことが確認されており、2019年の98人のほぼ2倍となった。
法輪功は「真善忍」の普遍的価値観により自らを修める気功修煉法。1990年代に中国で広く普及し、約7000万人から1億人の学習者がいる。1999年、中国共産党江沢民政権は法輪功に対する全国的な迫害を開始した。
同センターによると、数百万人が刑務所や労働収容所などの施設に拘禁され、数十万人が拘禁中に拷問を受けた。迫害による死亡者は身元が確認できるだけで4700人ほどだが、失踪や記録不全のため、はるかに多くの犠牲者がいるとされる。
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