レモンド米商務長官、台湾からの半導体輸入止まれば「即座に深刻な景気後退」

2022/07/22 更新: 2022/07/22

米国のレモンド商務長官は21日、台湾からの半導体の輸入が止まれば、米国は「即座に深刻な景気後退に直面する」と危機感をあらわにした。与野党の対立で審議が難航していた上院は、先日、半導体法案の審議入り動議を可決したばかり。

レモンド氏は米CNBCの取材に対して、「現在台湾で製造されているチップにアクセスできなくなった場合、恐ろしいシナリオになる」「軍備を作ることができず、自衛できなくなる」と半導体の米国生産の必要性を訴えた。

企業から軍、政府に至るまで、米国は国内で使用する最先端半導体の90%を台湾から輸入している。米国で設計した半導体は、そのほとんどを世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)企業である台湾半導体製造(TSMC)に委託している。

半導体は自動車、スマートフォン、医療技術、軍事など幅広い用途に使用されているため、中国軍の威圧にさらされる台湾に半導体供給能力を過度に依存することは、米国の国家安全保障上のリスクにつながる。

上院は20日、中国共産党を念頭にした半導体産業支援法案の推進を決め、審議入りする動議を64対34で可決した。米国内の半導体開発・生産強化に向けた520億ドルもの補助金・奨励金の交付が盛り込まれている。

米国内に製造施設を建設する半導体企業への資金支援や製造装置メーカーへの25%の投資税額控除などが、上院草案には含まれる。

一部の議員からは、自社株買いに走ったとされる企業への補助金提供に疑問の声が上がったため、自社株買いや配当への使用禁止が追加された。

レモンド氏は、半導体を「あらゆるイノベーション型産業を支えるために必要な基礎技術」と呼び、半導体法案への批判を一蹴。半導体企業の国内生産を拡大するインセンティブを与えることの重要性も強調した。

レモンド氏は22日、コロラド州で年次開催するアスペンセキュリティフォーラムに出席した際にも、米国が半導体を台湾に依存することは「安全ではない」と指摘。「ハイエンドコンピュータチップの国内生産を支援するための法律を可決する必要がある」と述べた。

(翻訳編集・山中蓮夏)

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