フロリダ州のロン・デサンティス知事は、中国共産党と関連する企業が米国の農地や不動産を購入しているとの報道を受け、「許されるべきではない」と述べた。また、フロリダ州は孔子学院の閉鎖や半導体の製造支援など、中国共産党の影響力に最も断固として立ち向かっている州だと強調した。
デサンティス氏は23日、米フォックスニュースに出演し「中国共産党とつながりのある企業が何をしているのか、表面的にはわからない」と述べ、中国企業による米不動産買収に危機感を示した。また、浸透工作を働き米国の弱体化を狙う中国共産党を「一番の敵だ」と表現した。
全米不動産協会によると、2021年4月から今年3月までに中国バイヤーが米国の住宅に費やした金額は61億ドルに上る。1件の取引につき平均100万ドル以上を費やしているという。購入先はカリフォルニア州(31%)が最も多く、次いでニューヨーク州(10%)、インディアナ州(7%)、フロリダ州(7%)となっている。
また、米国農務省のデータによれば、2010年末時点で中国の投資家が米国で所有している農地は約1万4000エーカーであったの対し、2020年12月には19万4000エーカーにまで急増している。
孔子学院の閉鎖
デサンティス氏はインタビューのなかで「中国共産党を含む、ならず者国家からの不当な影響力を取り締まる法案に署名した」とも強調した。
フロリダ州は昨年、公的機関による共産主義団体またはその関連企業との協定締結を禁じ、中国共産党による州内の公立・私立の高等教育機関への関わりを制限する法案を成立した。これにより中国共産党から支援を受けている孔子学院も排除対象となった。
さらにデサンティス氏は、中国産業スパイの摘発強化に向け、企業の機密情報の窃盗に対して最大5年間の懲役刑を科す法案に署名している。同州は2019年9月に州最後の孔子学院を閉鎖した。
先端技術製造の支援
中国の影響工作の抑制を念頭に、フロリダ州は1月、半導体などの先端技術製造の支援を発表。フロリダ州雇用成長大基金からオセオラ郡とバレンシア大学に、約1000万ドルを支給した。
当時、デサンティス氏は「サプライチェーンがかつてないほど脆弱になっている今、我々の戦略的投資はマイクロチップと半導体製造をフロリダ州に回帰させるのに役立つだろう」と強調。「この重要な産業が中国共産党の支配下に置かれることは許されない」と牽制していた。
デサンティス氏によれば、次はフロリダ州の年金基金問題に取り組むという。
「中国共産党と繋がりのある中国企業への投資について法整備を進めるもりだ」「一番の敵に資金を提供しないよう、関係を断ち切る」と述べた。
(翻訳編集・山中蓮夏)
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