中国による侵略が続く中、フィリピンと日本が強固な防衛パートナーシップを維持

2022/08/12 更新: 2022/08/12

アナリストや政府関係者によると、国家主権、食料安全保障、エネルギー安全保障に関して中国が投げかけている課題に対し、インド太平洋海域における法治主義への共通のコミットメントは、日本とフィリピンの防衛分野での関係をより緊密なものにしている。防衛協定、二国間軍事演習、および防衛調達協力は、二国間の歴史的に堅牢な防衛関係の強化を特徴づけている。

「フィリピンは日本を戦略的パートナーとみなしており、長年にわたって防衛関係を改善してきた」とフィリピン海軍退役少将ロンメル・ジュード・オング氏はFORUMに対して語った。こうした緊密な関係は、中国による不安定な行動が動機となっている、と同氏は付け加えた。中国の行動には、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内の海域への侵略、太平洋諸島への勢力拡大の動き、フィリピンの海外労働者を脅かすルソン海峡における台湾への圧力、中国人民解放軍海軍の拡張などがある。

ロイターが報じたところによると、フィリピンは2022年5月に、フィリピンの排他的経済水域における中国の一方的な措置はフィリピン人の漁業権を侵害し、海洋科学研究とエネルギー探査を妨害しているとして公式に提訴した。フィリピン統計局によると、魚は米に次ぐフィリピンの食生活で2番目に重要な食材だ。

「フィリピンは、排他的経済水域における主権を守ることを堅持する」と、マニラを拠点とする防衛・安全保障コンサルタントのロサウロ・アンジェロ・ロドリゲス氏はFORUMに語った。さらに「日本との戦略的パートナーシップは、地域内の安全保障と防衛の姿勢にとって非常に重要だ」と述べた。

日本はフィリピン軍に対して政府開発援助を行い、フィリピン沿岸警備隊のための巡視船捜査船救難船を提供してきた、とオング氏は述べた。また、フィリピン海軍は日本から偵察機をリースしており、フィリピン空軍は日本の三菱商事から空中捜索レーダーを取得している。

「日本はフィリピンが主催する海軍および多国間の演習に参加しており、当初はオブザーバーとして、その後は参加者として関わっている」とオング氏は述べている。

在マニラ日本国大使館によると、日本の航空自衛隊とフィリピン空軍は2022年6月21日から24日にかけて、フィリピンのクラーク空軍基地で「ドウシン・バヤニハン2-22」と呼ばれる人道支援・災害救援の第2回二国間訓練を実施した。これは2021年に初開催された合同訓練に続いて実施されたものだ。

井筒俊司航空幕僚長は、二国間訓練は非常に重要だとし「日本は両空軍の関係をさらに強化し、自由で開かれたインド太平洋地域を推進していく」と述べた。

井筒航空幕僚長の言葉を反映するように、2022年6月には林芳正外相がマニラを訪問し、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領と会談した。そして、日本はフィリピン沿岸警備隊の自国の排他的経済水域の巡回を引き続き支援すると付け加えた。

オング氏は、フィリピンと日本の両国が米国の軍事同盟国であることは、2011年にインド太平洋諸国である両国が最初に締結した戦略的パートナーシップにとって重要だと述べた。いずれも米インド太平洋軍が活動を統合し、南シナ海やルソン海峡の海洋権益を含むいくつかの分野で米国と連携している。

「日本とフィリピン間の防衛協力の強化は、南シナ海での中国の行動に対して意見の一致した国々の団結を示すことになるだろう。米国同様に、日本もフィリピンの防衛力を補完し、海上ISR (諜報、監視、偵察)、沿岸警備哨戒、合同海上哨戒といった脆弱性を補うことができるだろう」とオング氏は語った。

Indo-Pacific Defence Forum
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