奈良県で演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相を追悼するコンサートが20日、台北国際会議センターで開催された。多くの日本企業や団体が出席するなか、頼清徳副総統は安倍氏の台湾に対する支援と友情に感謝の意を示し、亡くなった事実を「いまだ受け入れることができていない」と述べた。
頼氏は安倍氏の自宅を訪問したときの情景を思い出し「私は幸運にも安倍元首相の自宅を訪れ、故人と対面することができた。相変わらず凛々しく、表情も穏やかで、まるで眠っているかのような自然な表情だった」と語った。そして、告別式では昭恵夫人が安倍氏の生前の思い出について語ると、参列者がみな目に涙を浮かべたと振り返った。
頼氏は麻生太郎副総裁の弔辞を引用し、安倍氏は日本のプレゼンスと存在を飛躍的に高めた優れた政治家であり、安倍氏を失ったことは日本のみならず、世界にとっても大きな損失だと惜しんだ。
安倍氏は生前、「台湾有事は日本有事」と訴えるなど、中国共産党の軍事的脅威を認識し、世界に発信し続けてきた。中国共産党の政治的・軍事的圧力のなか、率先して台湾への支持を表明し、国際的地位の向上に努めてきた。頼氏は「私たちの安倍元首相への感謝は、安倍元首相が亡くなっても止むことはなく、変わることはない」と力を込めた。
頼氏はまた、安倍氏が生前提唱したインド太平洋の安全保障戦略は、逝去とともに消え去ることはなく、さらに大きな力を生み出すことになると強調した。
また、安倍氏の実弟であり首相補佐官を務める岸信夫氏もビデオメッセージを寄せた。コンサートを開催した台湾への感謝と共に、今後も日台関係を強固にする考えを示した。
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