今年3月末以降、上海市で実施された長期封鎖やこの影響によるサプライチェーン混乱が中国の自動車業界に大きな打撃を与えた。電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車(シャオペン)が23日に公表した4~6月期決算報告によると、当期の純損失は27億元(約541億円)に達し、前年同期の11億9000万元(約239億円)を大きく上回った。
同社は今年初めEVの販売価格を引き上げたが、原材料コストの高騰で収益率が悪化している。4~6月期の売上総利益率は10.9%となった。前年同期は11.9%で、今年1~3月期は12.2%だった。
同社の4~6月期の売上高は、前期比0.2%減の74億4000万元(約1491億円)。
また、同社は6月末から9月までの3カ月間の納車台数を2万9000~3万1000台と見込んでいる。しかしそれは市場予想の4万5865台を下回っている。
中国政府は感染拡大を抑え込むために、上海市で約2カ月都市封鎖を実施した。この影響で、小鵬汽車やライバル企業の理想汽車(リ・オート)、テスラなどは部品調達難に陥った。
いっぽう、EV業界を含む中国の製造業は現在新たな課題に直面している。記録的な猛暑で中国のダムや河川の水不足が深刻化し、水力発電量が減少したことで電力需給がひっ迫している。四川省政府は21日、当初20日までの計画停電をさらに5日間延長すると決めた。
四川省は、中国の半導体、自動車部品、車載電池などの生産拠点であるため、計画停電による工業企業の操業停止は、部品調達への支障が避けられないとみられる。
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