米議会の共和党議員は18日、中国共産党員9300万人への非移民ビザの発給を禁止する法案を提出した。諜報活動など悪影響を与える工作活動に歯止めをかけることを狙う。議員らは声明で、世界の超大国となることを目論む中国共産党員の「入国を認めるわけにはいかない」と述べた。
法案はマルコ・ルビオ議員やリック・スコット議員ら4人が共同提出した。現在、中国共産党員は10年間に渡り複数回入国可能なB-1(商用)およびB-2(観光)ビザを取得することができるが、法案はこれらのビザ発給を禁じる。中国人の中国共産党との関わりを阻止し、同党の米国での諜報活動やプロパガンダ活動を制限することを目的とする。
中間選挙で3期目当選したルビオ氏は声明で、すべての中国共産党員は「米国を弱体化させ」「世界の唯一の権力者になる」という党の目標を達成する任務を負っていると指摘。こうした党員が米国に入国し「買い物をしたり、ビジネスをしたりすることを認めるのは、常識に反している」と述べた。
スコット氏も中国共産党の工作員が「米国の知的財産を盗み、市民を追跡し、重要な研究機関に潜入するために米国に入国したという恐ろしい例を何度も目にしてきた」と強調した。中国共産党がもたらすリスクに「目をつぶるわけにはいかない」とし、徹底した審査を義務付けるよう政府に求めた。
法案は、中国共産党員を対象としており、一般の中国国民は観光ビザや学生ビザなどを取得できるとしている。
米国では、これまでも中国共産党幹部などへのビザ発給停止法案が提出されてきた。15人の共和党議員は2月、2000人以上いる中国共産党全国代表大会の代表者とその家族に対する制裁法案を提出した。
3月には、ブリンケン国務長官が中国国内外で宗教団体や少数民族の抑圧に関与したとされる中国当局者にビザ発給を制限すると発表した。
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