ファイザー社のワクチン、血液凝固と関連=米国食品医薬品局

2022/12/18 更新: 2022/12/20

ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの接種は、高齢者の血液凝固異常に関連する可能性があることが、米国食品医薬品局(FDA)の研究によって明らかになった。同研究結果は、1日付けで国際学術雑誌「Vaccines」に掲載された。

FDAの研究グループは、2020年12月10日から2022年1月16日の間に合計3460万回分のワクチンを接種した1740万人の高齢の米国人を対象としたデータを調査した。その結果、肺塞栓症が統計的数値を満たし、より詳細な評価の後も数値を満たし続けたことを発見した。

さらに、心臓への酸素供給不足、免疫性血小板減少症、血管内凝固も当初は統計的数値を満たしていたと指摘。しかし、インフルエンザ・ワクチンの接種を受けた集団との比較など、より詳細な評価を行った結果、これら3例は統計的数値を満たさないことが判明した。

FDAは、研究結果はワクチンが4件の有害事象を引き起こすことを証明するものではないことから、いかなる対策も講じないとした。結果は「まだ調査中であり、より確固とした研究が必要」であるとしている。

Truth for Health Foundationのチーフ・メディカル・アドバイザーを務めるピーター・マッカロー博士は同論文について「血栓、動脈硬化性心疾患の進行、血液障害の著しい増加は、新型コロナワクチン接種と独立して関連しているという医師の懸念を裏付けるものだ」とエポックタイムズの取材に答えた。

エポックタイムズはファイザーにコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。

 

調査の進め方

FDAの研究者は、65歳以上の高齢者を対象とするメディケア&メディケイドサービスセンター(CMS)データを用いて新型コロナワクチン接種後の14のアウトカムを調査した。

研究グループは、ワクチン接種後の14のアウトカムのうち1つ以上のリスクの上昇を検出するために確率検定を用いた。その目的は、ワクチン接種によって、肺塞栓症や肺の血液凝固などの有害事象のリスクが高まるかどうかを確認することであった。ある結果が一定の統計的数値を満たした場合、それはリスクを増加させる可能性があることを意味する。

FDAは2021年7月12日に、安全性モニタリングの初期結果で4件の事象リスク増加が検出されたと発表した。これは、同論文で概説されたものと同じ4件の有害事象であり、発表以来、この件に関してFDAが行った最初のアップデートとなった。

研究者グループによれば、2022年1月15日時点で、急性心筋梗塞が9065例検出された。また、肺塞栓症が6346例、免疫性血小板減少症が1064例、凝固が263例検出された。

一次解析では、4件のアウトカムすべてで安全性のシグナルが示された。後にパンデミック前の一般集団における各アウトカムの割合の変動を調整した結果、最終的に肺塞栓症のみが統計的数値を満たした。

この研究には、誤シグナルの可能性や、パラメータの指定が誤っているなどの要因によるシグナルの見落としの可能性が含まれる。

シグナルが検出されたのは、ファイザーによるワクチン接種後のみだった。モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン接種後のシグナルの分析では、懸念は示されなかった。

 

副反応

12月9日現在、ワクチン接種後の肺塞栓症の報告は、ファイザー社の1886件を含め、約4214件が米国ワクチン有害事象報告システムに報告されている。

さらに同日現在、ワクチン接種後の心筋梗塞の報告は1434件(うちファイザー社736件)、免疫性血小板減少症の報告は469件(うちファイザー社234件)、血管内凝固症候群の報告は78件(うちファイザー社42件)が報告されている。

前出のマッカロー氏はCMSの監視システムの欠点についてエポックタイムズにこう語った。

「CMSの監視システムの欠点は、新型コロナワクチン接種の累積リスクを強調する新型コロナウイルス感染症の先行感染と後続感染を捕捉していないことである。ワクチン接種を受けた人の数が多ければ多いほど、ワクチンに起因する医学的問題の集団帰属率は膨大になる。多岐にわたるコロナワクチンの無差別接種の結果、医療制度に将来的な負担がかかることを懸念している」
 

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。