2021年1月6日に起きた米連邦議事堂事件を調査する下院特別委員会は19日、トランプ前大統領に対し刑事告訴するよう司法省に勧告した。これに対しトランプ氏は反発している。なお、司法省には勧告に従う法的義務はない。
委員長を務めるベニー・トンプソン議員(民主、ミシシッピ州)は「この委員会の活動が正義への道のりを作り出し、法執行機関が私たちが提供する情報を使用すると確信している」と述べた。
特別委員会はトランプ氏について、暴動の扇動、公的手続きの妨害、連邦政府に対する虚偽の陳述、そして連邦政府を欺くための陰謀という4つの容疑を掲げている。
これに対しトランプ氏は反発。SNS「トゥルース・ソーシャル」上で「私は間違ったことを一度もしていない」と書き込んだ。そして、委員会の勧告は自身を中傷するための党派的な試みであり、2024年の大統領選に出馬させないためのものだと主張した。
司法省が勧告に従い刑事告発した場合、トランプ氏は禁固刑と罰金刑に直面する可能性がある。いっぽう、ハーバード・ロースクールのアラン・ダーショウィッツ名誉教授は米ニュースマックスの取材に対し、三権分立のもと、議会は訴追する権限を持っていないと指摘した。
トランプ氏は1月6日の連邦議事堂事件の際に暴動を扇動したとして起訴されたが、上院の弾劾裁判では無罪となった。民主党が主導する特別委員会に対し、共和党内からは批判の声も上がっている。
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