新型コロナ感染症で匂いがしない…嗅覚取り戻す3つの秘訣

2022/12/26 更新: 2022/12/26

嗅覚障害は、新型コロナウイルス感染症に罹患した後、もっとも多く報告される後遺症の一つです。

他のウイルス感染症とは異なり、新型コロナウイルス感染症の嗅覚障害は、鼻づまりがないのに突然、嗅覚に異常を感じることがあります。英医学誌「British Medical Journal」に掲載された新しい研究によると、5%の患者が長期的な嗅覚障害を経験する可能性があるとされています。

中国伝統医学(中医学:Traditional Chinese Medicine )のWu Yuxuan医師によると、コロナ患者の約12パーセントに初期症状として嗅覚障害があると言います。この症状は一般的に3〜4週間で自然に回復しますが、一部の患者は感染後1年経っても嗅覚障害に苦しんでいます。

そこでWu医師は嗅覚障害を改善するための3つの秘訣を教えてくれました。

 

肺と鼻の関連性

中医学は、五行説を取り入れた、総合的で高度な医療システムです。中医学において、肺と鼻の関係はよく知られています。

邪気により、肺の気(生命エネルギー)が失われ、匂いを感じなくなるなどの症状が表われます。中国・清の時代では、「温邪(各種温熱病の原因となる邪気の総称)はまず肺を犯す」とされていました。激しい喉の痛み、鼻づまり、鼻水、黄色や緑色の鼻汁も、肺に原因があることを示しています。

Wu医師はこれらの症状を改善するために、中医薬膳茶、ツボマッサージ、オイルマッサージを推奨しています。

 

薬膳茶

(成分)
・マグノリア 11g
・アコルス・グラミネウス 11g
・オナモミ 11g
・台湾アンジェリカの根 7.5g
・プエラリアの根 7.5 g

これらの材料を綿布に包み、300mlのお湯を加えて飲めば、鼻の通りがよくなり、鼻づまりや、嗅覚障害が改善されることがあります。

 

ツボ押しマッサージ

長期にわたり続く鼻づまりや嗅覚障害がある方は、ツボを押すと痛みや腫れを感じることがあります。こまめにツボ押しマッサージを行うことをおすすめします。また、かっさ(専用プレート)を使って、適度な圧力でツボを刺激すると、顔の血行が良くなり、鼻がスッキリします。

(ツボ位置) 
・上星(DU23):鼻頭から髪の生え際までの延長線上で、生え際の2.5センチ後方に位置します。
・印堂 (EX-HN3) :左右の眉毛の内側を結んだ真ん中に位置します。
・迎香(LI20):小鼻から外側に1.6センチ、ほうれい線上に位置します。
・列欠(LU7):親指側の動脈が触れるあたりで、手首から約指2本分のところにあります。

(Shutterstock/The Epoch Times)

 

オイルマッサージ

(成分)
・ベースはマイルドなホホバオイル
・ユーカリ精油 3滴
・マートル精油 3滴
・スイートマグノリア精油 2滴
・キジペッパー精油 1滴
・ラベンダー精油 1滴

(使用方法)
手のひらに上記のオイルをのせ、揉み込むように温めます。先ほどご紹介した、上星、印堂、迎香、列欠のツボをマッサージし、香りを吸い込みます。

David Chu
ロンドンを拠点とするジャーナリスト。中国の主要都市や韓国、タイ、その他東南アジア諸国の金融業界で約30年に渡るキャリアを持つ。中国伝統医学を専門とする家庭に生まれ、中国の古典文学の素養がある。
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