中国版紅白歌合戦とも称される旧正月大晦日の娯楽番組「春節聯歓晩会」(春晩)が21日、放送された。ライブカメラに偶然映った、ある男性観客の顔が話題になった。
わずか4秒という短い映像だ。笑顔はなく、ため息をつき、手で髪の毛に触れ頭を掻くといった仕草を見せた。笑顔を見せる他の観衆と比較して男性の表情は際立ち、多くの視聴者が共鳴したようだ。「頭を掻く兄貴」などと名付けられ動画は瞬く間にSNSで拡散された。
春晩は中国中央テレビが共産党の宣伝を押し出すためのプロパガンダ番組で、歌唱の他、喜劇などを含む総合舞台となっている。
不満げな表情を見せた男性について「彼の身の安全が心配だ」「もはや放送事故」などの声がネットに上がった。なかには、「彼は米国から派遣された潜入捜査官だ」「背後に外国勢力が潜んでいる」などと中国外務省報道官の口調を模倣したコメントもみられた。
映し出された観客たちの表情は固くこわばり、冷たい表情をしている様子もネットで出回った。
旧正月の前から春晩は中止すべきとの声が少なくなかった。新型コロナの感染拡大で多くの家庭が死や入院などの困難を経験するなか、「同胞の死に心を寄せる時間にあてるべきだ」といった意見が相次いだ。
いっぽう、春晩で披露された歌をめぐっては、日本のアニメの歌のパクリではないかとの疑惑も浮上している。台湾メディア・自由時報などが報じた。オープニングソング「花開種花家」や、ダンスソングの「当神兽遇到神兽」は日本のアニメのテーマ曲やボーカロイドの曲に酷似しているとの指摘がある。
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