米国のマッカーシー下院議長が今春にも台湾訪問を計画していることがわかった。米ニュースサイト、パンチボウルニュースが23日報じた。「地政学上の最大の脅威」とみなす中国共産党に強硬姿勢を示すとともに、改めて台湾への支持を表明するとみられる。
バイデン政権の関係者によれば、中国共産党との軍事・経済競争が下院の重要争点だということを示す狙いがある。現在は国防総省と立案中で、まだ初期段階だとしている。
昨年8月には、ペロシ氏が米下院議長として25年ぶりとなる台湾訪問した。激しく反発した中国は、台湾周辺で前例のない大規模な軍事演習を実施し、複数の弾道ミサイルを発射した。そのうち5発が日本のEEZ(排他的経済水域)の内側に落下した。
ペロシ氏の訪台以降、ポンペオ前米国務長官や米議員団の訪台が相次いだ。当時、下院少数党院内総務だったマッカーシー氏もペロシ氏の台湾訪問に支持を表明し、議長に選ばれたら「台湾に行く」と明言していた。
軍事的威圧が高まる台湾について、米議会も中国の台湾に対する攻撃を抑止する政策を推進している。米国務省は昨年9月、台湾に対する11億ドルを超える武器売却を承認したほか、米国上院外交委員会は米国の対台湾政策を強化する「台湾政策法案」を賛成多数で可決した。
いっぽう、対中国強硬派で知られるマッカーシー氏の台湾訪問に中国共産党は警戒している。17日に行われた米中軍当局者会談では、中国側はマッカーシー氏の訪台の可能性への懸念を明かした。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が米政府関係者の話として伝えた。
これに対して、米国側は「思いがけない軍事的事故につながりかねないため、台湾海峡付近で過剰な反応をしないよう」警告したという。
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