中国「偵察気球」、台湾の選挙を前に連日台湾上空を通過

2024/01/05 更新: 2024/01/05

13日の台湾総統選挙をわずか10日後に控え、中国のいわゆる「偵察気球」と疑われる物体が2日連続で台湾上空を通過した事実が明らかになった。これをめぐり、中国が台湾総統選挙に介入しようとしているのではないかと懸念されている。

3日、台湾国防部(国防省)によると、前日(2日)午前6時から同日(3日)午前6時まで、中国の気球4個が台湾海峡の中央線を越えて台湾方向に移動し、このうち3個は台湾上空を西から東に渡って通過した事実が確認された。

台湾国防部は、気球が台湾中部青岸江西南地域で北東に移動した後、それぞれ消えたと明らかにした。ここで特に清泉崗は台湾の空軍第3戦術戦闘機連隊が位置する場所で、台湾空軍の要衝地だ。

台湾国防部のスポークスマン、孫立峰少将は、当該気球は大気データを収集するために上空に浮かべたとみられると説明した。前日の2日、孫立峰少将は国防部の事情の説明で「他の目的があるかどうかについては、国防部が状況を綿密に監視・管理し、適切な措置を講じている」と述べた。

台湾国防部は、中国の2機の気球はそれぞれ高度3万フィート(9144m)と3万2千フィート(9735m)で検知されたと発表した。これは基本的に、通常の民間航空機の巡航高度である。

ただし、台湾国防部は、気球の飛行経路が台湾領空を侵犯したと見ているかという質問には答えなかった。

いっぽう、台湾国防部も、2日午前6時から3日午前6時まで、中国人民解放軍所属の軍用機9機と軍艦4隻が台湾周辺で活動する様子を捉えたと発表した。

軍用機4機のうち1機、空軍の早期警戒機「空警500」が台湾の南西防空識別圏に入ったが、台湾海峡の中央線を越えた軍用機はなかったと言う。

台湾軍は、PLA(人民解放軍)の航空機や艦船を追跡し警告するため、軍用機や艦船を配備し、防空ミサイル・システムを作動させている。

 

紫色の破線は中国気球の飛行ルート(国防部提供)

現在、台湾は選挙戦が終盤に差し掛かっている。親中傾向の国民党の侯友宜氏が与党民進党の頼清徳氏と激しい接戦を繰り広げている。このような中、台湾の安全保障不安感を煽って、侯友宜氏に有利な雰囲気を作り出そうとしているとの意見が出ている。

アナリストによると、動機が不明確で間接的な攻撃を続ける一種の欺瞞戦術である「グレーゾーン戦術」を利用した選挙介入の試みだと分析した。軍事的衝突の臨界点を超えなかったが、台湾を脅かす試みの一環だ。

台湾当局も強く批判している。すでに以前、中共がソーシャルメディアで虚偽の情報を流布し、台湾の公務員と有権者に中国国内旅行費用を支援する形で選挙介入を試みたという報道が何度も出ている。

昨今、習近平は大晦日の演説で、「祖国統一は歴史的必然である 」と述べた。一方、中国共産党は台湾に対してもサイバー攻撃を行っている。

徐天睿
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