中国共産党による台湾侵攻が始まれば、台湾に武器や重要な物資を補給することは不可能になるーー。米下院の対中問題を扱う「中国特別委員会」が実施した中国共産党による台湾侵攻を想定した机上演習で、こうした危機的な結果が示された。
2027年に中国共産党が台湾に侵攻した場合に起こりうる事態を想定したもので、米国側が中国共産党の侵攻に対抗するための外交・経済・軍事行動など、双方のハイレベルな戦略・作戦をシミュレーションした。19日、シンクタンクの新アメリカ安全保障センターと共同実施した。
その結果、中国共産党による侵攻後は米国が台湾に装備を供給できなくなるほか、地域の同盟国に追加の基地を建設しなければ米国側は多数の犠牲者が出て、長距離ミサイルの備蓄が短期間で枯渇する危険性があることが示された。
マイク・ギャラガー委員長は、危機が発生する前に台湾を「徹底的」に武装する必要がると強調。「侵略を抑止するために、時には紛争に備えなければならない」と述べた。
2月には、バーンズ米中央情報局(CIA)長官が、中国共産党の習近平国家主席が2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍部に指示したとの情報を明らかにした。
米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が1月に実施した台湾への着上陸侵攻を図ると想定した机上演習でも、台湾侵攻を防いでも日米は大損害を被るとの結果が出ている。
「中国共産党は、台湾占領のために、政治的な戦いはおろか武力行使さえ辞さない姿勢を見せている」とギャラガー氏。「中国人民解放軍ロケット軍や海軍は、両岸の戦闘と台湾の友好国が地域にアクセスできないよう作られたものだ」と述べ、壊滅的なシナリオを想定した準備が必要との見解を示した。
中米戦争は「破滅的」
机上演習に参加したロー・カンナ議員は、この演習によって、世界最大の経済大国間で戦争が起きた場合、いかに悲惨なことになるかを、特別委員会がよりよく理解することができたと述べた。
「国との戦争は、人類にとって壊滅的で破滅的なものになる」とカンナ氏は、米NBCとのインタビューで語った。
また、米国が中国への制裁措置を講じたとしても中国共産党政権は「経済的な影響も考慮に入れて」対応策を準備していることが示されたという。
その一例として中国は、国際決済システム「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除された場合、iPhoneから電気自動車など幅広い分野で使われている中国製のバッテリー技術を米国から切り離す可能性があると述べた。
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