【橘色悪魔】
1月21日夜。旧暦の大みそかにあたるこの晩、台湾の著名なテレビ番組に京都橘高校吹奏楽部が録画で出演。圧巻のパフォーマンスで、台湾の人々を再び魅了した。
昨年10月10日、台湾の建国記念日にあたる双十節のイベントに海外から初めての団体として招かれたのが、同校吹奏楽部であった。愛称であるオレンジデビル(橘色悪魔)の名の通り、爽やかな笑顔と青春の活力によって、台湾国民の心を一気に奪ったのは記憶に新しい。
彼女たち(男子部員もいたが)は、もちろん全く普通の高校生である。応援する側には十分な注意と節度が求められるが、台湾の人々が、日本の彼女たちに、ほとんど「恋」をしてしまった気持ちも大いに理解できる。それほど彼女たちは美しく、輝いていた。
さて、蛇足とは知りながら、もう一方の1月21日夜のことを書く。
同夜、おそらく台湾のそれと同じ時間帯であろうが、中国中央電視台CCTVの「春聯(春節聯歓晩会)」が放送された。
「春晩」とも呼ばれるこのテレビ特番は、歌あり、舞踊あり、寸劇あり、京劇などの古典芸能あり。4時間30分にわたる無駄に長い番組であるが、一言でいえば全く美しくない。
香港のジャッキー・チェン氏もマイクを握って楽しそうに歌っていた。自分で何をやっているのかお分かりか、と聞きたくなる。
拍手する観客は、もちろん動員されたサクラである。中国で、コロナ死亡者が爆発している最中のこの狂騒ぶり。背筋が寒くなる。
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