米テレビ局CNNの1月16〜22日までの1週間の視聴者数が過去9年間の最低水準を記録したことが、米調査会社「ニールセン」の調査で明らかになった。ニュースサイト「ザ・ラップ」が報じた。
CNNの平均視聴者数はゴールデンタイム(夕方・夜)で44万4000人、デイタイム(日中)で41万7000人だった。うちテレビ業界で重要視される25〜54歳の視聴者層については、ゴールデンタイムで9万3000人、デイタイムで8万人だった。
これに対しFOXニュースはゴールデンタイムで200万人、デイタイムで140万人。MSNBCがそれぞれ94万3000人、62万9000人だ。
CNNの平均視聴者数が45万人を下回るのは2014年5月以来初めて。
CNNが昨年11月1日に放送を開始した朝のニュース番組「CNN This Morning」は平均視聴者数が最低記録を更新し、33万1000人だった。
「CNN This Morning」はCNNのクリス・リヒト最高経営責任者(CEO)が自社のイメージを「政治的中道」に変えるべく、ゴールデンタイムを担当する司会者のドン・レモン氏などを起用した新番組。
いっぽう、リヒト氏は昨年12月、左傾化からの転換により自身が政治的左派からの非難・中傷の対象になったとし、「特に左翼からの無知な罵詈雑言には驚かされた」とニューヨーク・タイムズ紙に語った。
リヒト氏は昨年5月、前CEOジェフ・ザッカー氏の辞任を受け就任。以来、短命に終わったストリーミング事業「CNN+(プラス)」や従業員削減など、メディアの立て直しに際して、多くの困難に直面している。
リヒト氏は昨年11月に回覧した社員向けメモのなかで「世界経済の先行きに対する懸念が広がっている」とし、「そのリスクを長期計画の中に織り込まなければならない」と指摘、メディア全体で大きな変革を遂げなければならないと強調した。
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